Friend Ship

物は試しで。 ページ19

A「私たち、付き合ってみませんか？」

源「………え？」

返事が返ってくるまでのまばたきが多くて、
動揺しているのがよく分かる。

源「…か、からかってるんですか？」

A「いいえ」

源「じゃあ、どうして」

A「昨日、元恋人の話をしましたよね」

源「はい」

A「話した後に思ったんです。このまま源さんと過ごしていたら、忘れられるかもって。源さんを利用しているみたいで、最低な人だと思うんですが…」

源「いいですよ」

A「え？」

源「要は、元恋人を忘れられた時は僕を好きになってくれてるということですよね」

A「ま、まあ…必然的にそうなりますね」

源「ということは、立派な恋人同士です。利用してるなんてことはありません」

A「で、でも私はまだ源さんのこと、気になってるくらいで、その」

源「好きにさせれば、いいということですか？」

A「え、えっと」

急に男らしくなる源さん。
こんな顔するんだとか、いつもよりかっこいいなとか、関係ないことばかり考えて落ち着こうとしている。

源「Aさん」

気がつくと、至近距離にいる源さん。
もう逃げられない。

源「抱きしめてもいいですか？」

A「…は、はい」

ギュッと抱きしめられて、落ち着くと
素直に思う。よいしょと源さんが言うと
あぐらの上に私を乗せてまた抱きしめられる。

源「顔、赤いですよ？」

A「源さんだって、耳赤い…」

源「勇気を出してます」

A「ドキドキしてるんですか？」

源「引っ付けば、わかりますよ」

ギュッとひっつくと、ドキドキしているのが
よく分かる。

A「ほんとだ…私もです」

源「聞こえます」

この瞬間、きっと源さんとなら、
素敵な2人になれるんじゃないかと
心から思った。

ふと、我に返って。→←急な愛の告白と。

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