太陽と月「相澤消太」 (ページ9)

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Episode07. ページ9

　
　
　
　
　
　
　
　
「早く消えてほしいな、もう一人の私」

「だが、あれはお前の本心だろ？普通なら針暗の暗示針一本でお前はもう操り人形のはずが、今もまだ抵抗している。13年、何本針を刺されても、何度新しい針に変えても・・・僅かながら自我を保とうと藻掻いている。ほんと気持ち悪い女だよ」

「今日は随分とおしゃべりさんだね、荼毘」

「俺はいつもこんな感じだ」

「貴方なりに心配してくれているのか、それとも私が、もう一人の私にならないように見張っているのか・・・とても気になる」

「俺は・・・」

「大丈夫だよ、荼毘。もうすぐで私は本当の私になれる」

「・・・どうだか」

「あの人が死んでくれたら、私の中にいる女も消えるでしょ」

今日は雄英高校へ

襲撃の幕がそろそろ開かれる

弔と共に私は行く

彼はオールマイトを終わらせに
私は相澤消太の存在を消すために

「相澤消太を、この手で殺す」

そうベッドから立ち上がった女は

棚から、一つのピアスを取り出し
自身の耳へと煌めかせ

荼毘と共に部屋を出た

あの日、13年前、何があったのか
それを知る者はごく僅かな人間しかいない

かつて太陽のように輝いていた少女は、照らされることのなかった暗闇で
かつて月のように輝いていた少年は、隣にいてくれた少女のような太陽の元で

13年の月日を過ごしていた。

「もうすぐで会えるね、しょーちゃん？」

運命の再会まで、あと少し・・・
　
　
　
　
　