太陽と月「相澤消太」 (ページ24)

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Episode18.（5）ページ24

　
　
　
　
　
　

「どうした？」

「その針に、笑えと暗示を掛けられるか？」

「なぜ？」

何故だろうな・・・俺にも分からない
ただ、単純にムカついたんだよ

今まで何も反応しなかった人形が

ある言葉で自我を取り戻そうと足掻き、ある男を想い涙を流した

だったら・・・

「俺を想って、笑ってほしいだろ？」

いつか再会する男の前で

自分を想い泣いていた女が

俺の前ではニコニコ笑うんだ

―――――、最高に気分がいいだろ？

針暗は死柄木に言われた通り暗示を掛けた

そして、彼女には

これからも研究室を手伝うという条件付きで

俺達、敵連合に加わった

先生に反対されるかとも思ったけど
「君の好きなようにしていいんだ」と、言ってくれた

彼女の手や足に刺していた針は抜き
ある程度、身体に自由を与えた

針暗には反対されたが
13年の負荷は大きく、抜いても然程問題はなかった。

自由と言っていいのか分からぬ手足を彼女は何度も、何度も見つめた

死柄木弔の前では絶対に笑う事

死柄木弔の言うことに従う事

二週間に１回のペースで針を自分で交換すること

これがAに新しく埋め込まれた

「さぁ、おいでA。俺と一緒にこの世界をぶっ壊そう」

「はい！」

目の前で見た笑顔が

死柄木弔の心を満たした瞬間だった