EPISODE37 ページ9
俺を見守っててくれねェかァ?
空の上で、俺を見てろォ
テメェの大切なものをこれ以上失わないように
テメェがこれからも真っ直ぐ歩けるように
お前は言ってくれたなァ
「私の分まで生きて」
「私を忘れないで、私も貴方を忘れたりしない・・そしたら私の中では実弥が、実弥の中では私が・・ずっと生き続けられるから」
・・・俺の心にはいつもお前がいるんだァ
朝起きる時も、鍛錬している時も
おはぎを食ってる時もだなァ、いつも俺の中には
俺の好きな笑顔のお前で溢れてんだァ
どこにいたって俺には、お前と過ごしてきた思い出が
なにをしていたって、お前の存在がいつもここにあるんだ
だから、そんなこと言うな
お前はこれからも俺の側にいてくれる
そして俺も、お前が俺を想ってくれるなら側にいる
離す気も、離れる気もねェ
一生俺の側にいろォ、何があっても忘れるなァ
お前にとことん惚れている男の事を
「実、弥」
A
「愛してる」
「ッ!初めて、言ってくれたね」
初めて口にしてくれた、「愛してる」の言葉は
とても優しく、私がこれから歩む道を示してくれた
先程まで流れていた悲痛の涙は、嬉し涙に
「ありがとう」
実弥の背中に手をまわし、ギュッと力いっぱい抱きしめた
実弥の温もりを忘れないように
これでもかってくらい、思いっきり息を吸い込んだ
実弥の匂いを忘れないように
「A」
「実弥」
私は少し背伸びをして、実弥はゆっくり腰を曲げ
並んでいた二つの影は一つとなった
最後の口付けは少しだけしょっぱかった
だけど嬉しいくらい甘かった
「実弥、おかえりなさい」
さようならは言わない
だってまたいつか会えると信じているから
ありがとう実弥
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作者名:玲兎 | 作成日時:2020年10月25日 15時