EPISODE34 ページ6
心地よいリズムが身体中に響き渡る
トン・・トン、と一緒に歩んでいるかのように
ゆっくり、されど確実に進んでいく
進んでほしくない、時間と共に・・・
実弥の背中はいつも温かい
私より遥かに大きい背中、色んな人を守ってきた背中
実弥の匂いはちょっと甘くて、眠気を誘う穏やかな匂い
見た目とは違った、優しくて太陽のような匂い
もうすぐ、何も感じなくなる
「A」と呼んでくれる声も聴けない
こうやって実弥の体温を感じることも、一緒に歩くことも
もう、出来なくなるんだね
覚悟していた事なのに
本来なら、とっくにここにはいないはずなのに
一緒にいればいるほど、もっと・・もっと・・って
欲張りになってしまう
出来る事なら
ずっと実弥の声を聴いていたかった
ずっと実弥の体温を感じていたかった
ずっと実弥の隣を歩きたかった
怖い、怖いよ
ねぇ、何年経ったら貴方に会える?
どれくらいの時を待てば
もう一度貴方の手を握れるの?
消えたくない
宇髄さんの前では強がることは出来るのに
やっぱり私は貴方の前だと
弱くて、臆病で、どうしようもない
19人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:玲兎 | 作成日時:2020年10月25日 15時