３５ ページ35
.
湊「あ、ごめん。重い話だよね」
「ううん、全然。でも、湊くんが辛いなら聞かないよ」
湊「俺は姉ちゃんのお陰で辛くないんだ。こんな事言ったら、天国にいるお父さんとお母さんに怒られるかもだけど笑」
「Aちゃんのおかげ、すごいね」
湊「俺よりも姉ちゃんのが辛かったと思う。親戚の虐めから守るためにアルバイトして、家出れたし。でもたまに嫌なことフラッシュバックするみたいでさ。寝られないからって仕事詰め込んだりしてた」
「…そうなんだ」
湊「でも今日目黒くんが姉ちゃんを抱っこして連れてきてくれたじゃん？姉ちゃんが誰かに触られても起きないのなんて珍しいからびっくりした。疲れてるのもあるかもしれないけど、よっぽど目黒くんに安心しきってるんだなって」
「岩本さんもいたよ？」
湊「なんとなく照くんが抱っこしてたら起きてたと思うよ。俺の勘だけど」
「ははは、勘なんだ笑」
湊「再確認だけど！…姉ちゃんのこと好き？」
湊くんは真剣な顔で俺を見つめる。
「うん。好きだよ」
湊「幸せにできる？」
「幸せにするし、絶対守るよ」
湊「…よし！！安心した！！姉ちゃんにさっさと告っちぇ！！」
「まだ自信ないよ笑」
湊「…え？その顔面で？」
「顔は関係ないでしょ」
二人で顔を見合わせて笑ってると、ラウールくんが部屋のドアからこちらを覗いてきた。
ラ「二人とも何してるのー？？もうカード混ぜたし、駒もセッティング終わったよ」
湊「あ、ごめんごめん！ラウの存在忘れてたよ」
ラ「えぇ、何それ酷い」
湊「ごめんごめん！あ、目黒くん！姉ちゃん起こしてきて！俺ラウの相手するから」
「わかったよ」
ラ「ちょっと！僕を子供扱いしないでよ！」
湊「はいはい、ほら行くよー」
湊くんはラウールくんを連れて部屋に入っていく。
Aちゃんの部屋に意を決して、ノックする。
が、無反応…。
「Aちゃん？入るね」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 173人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：翡翠 | 作成日時：2022年10月7日 23時
