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「じゃあ、俺はもう帰るね」
『はい、わざわざありがとうございました』
「また明日ね」
『あ、引っ越し自体はいつになります？』
「とりあえず明後日の午後にしてもらったよ」
『なら、今日明日は今のお家のままですよね？』
「うん。そうなるね」
『…お家帰るのしんどくないですか？』
「…まぁ、しんどくないと言えば嘘になるかな」
『今日は私がいないので無理ですけど、明日はウチに来ますか？弟いますけど』
「え？」
『あんなことあった後にその現場に行くのはきついですから…』
「……いいの？」
『お世話になってますし、大丈夫ですよ』
「じゃあ、少しだけお世話になります」
『はい、どうぞ』
二人で少しだけ頭を下げて、それが面白くて微笑んだ。
『でも今日はどうするんですか？』
「翔太くんか康二のとこお世話になるよ」
『翔太くん？』
「ほら、この前俺が一緒に来てた人。宮舘さんの幼馴染」
『あぁ！わかりました！』
「康二は今度紹介するね、うるさいけどすごくいいやつだから」
『え、あ、はい！』
「ん？」
『いいえ、何でもないですよ！それよりそろそろ面会時間終わりません？』
「あ、本当だ！じゃあまた明日くるね！」
『はい、また明日』
慌てて病室を出た。
さりげなくAちゃんのお家にお泊まりが決まっていて嬉しい。
嬉しいんだけど。
「俺って男って意識されてないのかな…？」
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作者名：翡翠 | 作成日時：2022年10月7日 23時
