Kalanchoe２ (ページ30)

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　『ふうううう、緊張する〜』
　「さっきからそればっかりだね」
　『吐きそうだよおおお』
　「それはやめて笑」

A達の対バンライブの当日。
俺は目黒くんにAの精神安定剤として楽屋に呼ばれた。
着いてみると、案の定緊張でさっきからこんな感じ。

康「俺らの出番、次や〜」
　『だめだ！！！！！無理！！！！！』
　「大丈夫だから。はい、深呼吸〜」
　『ふうううう』
蓮「北斗くん居たら大丈夫だろ？」
翔「精神安定剤だもんな」
　「これ絶対イジってる…」
　『みんな北斗のこと、いじめないで！』
翔「なら、その不安になるのやめろ」
　『だって！！久々に歌うのに！！』
翔「沢山リハしたろ、大丈夫だよ」
康「そそ！Aの歌声は世界一やから！」
蓮「俺らが一緒にいる。勿論、北斗くんも」
　「A」
　『北斗…』

水分を多く含んだ瞳でこちらを見つめるA。
俺はAの目線を合わせるようにしゃがむ。

　「無理に出ろなんて言わない」
　『え？』
翔「おい」
蓮「しょっぴー」
　「怖いなら止めればいい。怖いのは次、前に進むのを止めるから。でもさ、ほら聞いて？」

俺がステージの方を指差せば、みんなそちらを向く。

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