Kalanchoe (ページ47)

今日:15 hit、昨日:0 hit、合計:78,791 hit

４７ページ47

.

『ふぅ、ちゃんと歌うのは久々で緊張しちゃった…え？北斗？！』
　「なに？」
　『何で泣いてるの？』
　「え？」

俺は気づかないうちに泣いていた。

　『久々だから…下手だった？？』
　「違う！！」
　『じゃあなんで？』
　「…あまりに綺麗な歌声で…歌詞は英語でわからないけど、すごい心に響いた」
　『ふふふ、ありがとう！この曲初めて私が作った曲なんだ〜！』
　「凄いよ、A。こんな心打たれたの初めて」
　『北斗がいてくれるから、歌える。少し自信持てた。私、頑張ってみるね！』

優しい笑顔で涙を親指で拭ってくれる。

　「あ、のさ…A、俺、」
慎「あーーー！！腹減ったー！！」
ジ「サボるなら弁当持ってくればよかった〜」
慎「早弁したら昼飯なくなるって！」
ジ「あれ？！北斗とAちゃん！！なーんでいんの？？」
　『あ、ジェシーくんと慎太郎くん！二人こそなんでいるのー？』

二人の元へ駆け寄るA。

危なかった……今、俺、告白しそうだった。
あまりにも綺麗な歌声で、あまりにも優しく微笑む彼女が可愛くて……
でも、まだ伝える時じゃないと思う。多分。
いつもなら二人の時間を邪魔されるのは嫌だけど、今回だけは二人に感謝した。

.