イロコイ・ライン 5th【ars K.N】 (ページ18)

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178.紹介。ページ18

その俯いた横顔に苦しい程、見蕩れてしまう。

「あっ！本当だ！二宮先生だー！」

その時、お店に入って来た女の子がパタパタとこちらに駆け寄って来た。

「先生！お久しぶりですー！」
「おぉ、若林！元気か？って元気そうだな」

若林、と呼ばれたその可愛らしい女の子はチラッと私を見て「うわっ！ごめんなさい！」ってアタフタし出す。

「彼女さん連れだって知らなくて...！ちょっとママ！先に言っといてよ！」

さっき先生が『教え子のお母さん』って言ってた女の人に、若林さんは恥ずかしそうに抗議してる。

...ってゆーか...彼女さんだって！！

何この感じ...嬉しい。
私絶対、嬉しい顔しちゃってる。

「お母さんから先生がお店に来てるよってLINE来たんです」

そう言いながら、ペコッて私にも会釈してくれる。
私もペコリ。
どうも、二宮先生の彼女です。なんて、心の中で浮かれたご挨拶。

「結城、この子オレの教え子で若林リンってゆーの。お前の2学年下かな」

先生が紹介してくれる。

「はじめまして、若林です」
「あっ...、はじめまして！結城です」

浮かれずに、ちゃんとご挨拶。

「可愛い人ー...先生、やっぱり面食いだったんだ」

可愛い女の子に『可愛い人』って言われた上に、先生が面食いだとかお世辞でも顔が熱くなる。

「お、照れてる」
「てっ...照れますよ、そりゃ...」
「お世辞だと思うよ？」
「分かってます！そんな事」

先生と私のやり取りを見てた、若林さんが「お世辞じゃないのに」ってアハッと笑った。

その時、お店にまた誰か入って来た気配。

「ニノちゃーん！」

あれ？
この声、知ってる。

声が聴こえた方に顔を向ける。
隣で先生が「マジかよ...」って項垂れた。

「リンがねー、ニノちゃんが来てるらしいって教えてくれてさ！」
「若林が来た時点で、嫌な予感はしてたけどな...」
「いつもの日曜はまだ仕事してる時間なんだけど、今日はたまたま早く終わったの！きっと、神様の重い飯だよね！」
「『思し召し』な...。あぁ、オレは相葉に3年間何を教えてたんだろう...」

グッタリしてる先生とは対照的に、相葉くんはアハーって笑ってる。
今日も可愛い服着て、ニコニコ。

「あれ...？」

その相葉くんが、私を見て元々真ん丸な目を更に丸くした。

「お姉さん！？」
「あ...アハ、こんばんは...」
「やっぱお姉さん、先生の彼女だったんじゃん！」

私を指さしてる相葉くんの人差し指を、先生がギュッと握った。