【あんスタ】女帝軍師ちゃんと再びの日常(２)

第５５話〜進むために〜 ページ28

あんずちゃんを送って、家に帰ってきた私は着替えてベッドにとびこんだ。

ぼふ、少しバウンドして、枕に顔をうずめる。




──半年前に、過去に、何があったんですか？




そうあんずちゃんに聞かれた。

きっとスバル達に多少は聞いたんだろう。

それでも彼女が聞いてきたのは、傍観者の話ではなく、当事者である私の話を聞くため。

「ほんと、賢い子だなぁ…」

本当はずっと聞きたかったのだろう。

それでも聞かなかったのは、聡明で、優しい彼女なりの気づかい。




「…話すべきなのかもしれない。私が進むためにも」

いつ話すべきだろう、明日？

誰に話すべきだろう、あんずちゃんにだけ？




…。

……決めた。




私は電話をかけるためにカバンからスマホを取り出す。

電話をかける相手は、アイツ。

きっとまだスマホを使いこなせてないだろうけど。









「零。ちょっと頼みがあるんだけど、いいかな？

明日、みんなを集めてほしいんだ。

全員入るような、広い部屋に」








きっと話すべき。

抗争時代の、私が招いた悲劇を。

皆は優しいから私のせいじゃないって言うんだろうけど。




話すことが、せめてもの罪滅ぼし。

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