【イナイレ】白き光 4章～前進～ (ページ13)

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131*温かいページ13

やることがなくてとりあえず工事中の雷門中を散策してた。

うん、さすが工事中。
なんもねえ！！！

そこで見つけたのは大きな土の山。

貴「…なんだこれ。」

そう思って向こう側に回り込もうとした時

春奈と木暮を見つけた。

木「かあちゃんと同じこと言うな！！！」

あーこれ…見つからない方がいい？
近くにあった木の横に立つ。

木「一緒になんていうやつなんか…信じられるもんか！」

黙って２人の話を聞いてた。

木「俺がすごく小さかった頃、一緒に旅行に行こうって連れてかれたんだ。途中、駅で弁当買ってくるから荷物の番をしてろって言われてさ。でもあいつ…戻ってこなかった。」

別れも告げられずに騙された別れ。
突き放されるのと、それと、どっちが幸せなんだろう。

木「俺…ずっと待ってたんだよ。それからさ、もう誰も信じるもんかって。信じても…ろくなことない。」

木「なーんてな！…お前がやれって言うからさ、もうちょっと頑張ってやるよ。」

そう言って春奈にタオルを返す。

春「あっ……！？」

春奈の小さな叫びとともに中からカエルが出てきた。

またコリもせずイタズラって……

やっぱりアイツの強いところだよ。

でも…やっぱり。
親を愛したまま別れるのと
親を愛せないまま別れるのは…

どちらが幸せなんだろう。

…いいよ。今は考える必要もないんだから。

春「…ルイさん？いつからそこに！？」

貴「あ…きづかれた。い、今来たとこだよ。」

春「嘘ですよね！目泳いでますけど！」

貴「話全部聞いてた。」

春「…ですよね。木暮くん、あんな強がってましたけど……やっぱり。」

貴「でも、木暮は強いヤツだよ。俺は…親なんて憎むことしか出来ないから。」

春「ルイ…さん……？」

貴「ごめん、なんでもない。…忘れて。」

春「…ルイさん。少しずつでいいから私にもルイさんのことを教えてください。…知りたい、支えたいんです。私たち……友達、でしょう？」

貴「友…達……？」

春奈の手が、優しく俺の右手を包む。

春「はい、友達です。」

ニコッ、と笑う。
そんな笑顔はまだ俺には眩しく見えた。
でも…少しずつ、少しずつ、孤独って名前のレッテルが剥がれていく気がして。

貴「…ありがとう。」

ちょっとだけ、温かかった。