続き ページ18
「あーつかれた」
散々はしゃいだ跡、2人して砂浜に座り込む。
浅瀬ギリギリに、足は海につけたまま。
水滴で反射した金色が光る。
『…………きれい』
「んー?なんてぇ?」
『いや、なんでもない。』
「なんだよ。また舌が追いついてなかったのか?」
『ちがうわ』
「あそ」
危ない……危うく手を伸ばすところだった。
きみにさわったらどうする、?
きみはどんなかおをする?
怪奇な色を浮かべるだろうか。
そんな君もそれはそれでいいけれど。
そのふわっとした髪にもし手を伸ばして、
君から毒を吐かれなかったら、どうしよう。
きみが、
すこしやさしくなってしまったら。
うけいれられてしまったら。
そうなったらどうしてくれよう。
なんて、ありもしないし、らしくもない。
お前が心読めたりしなくてよかったよ。
本当はこんなにも心内がうるさいことも、
なんにもしらないまま。
おれにだまされてろ。
君はこの想いを知らないし
君の思いも知らない。
本当に、君を触れられた時の答えも、
君の心をかっさらえた時のことだって、
なにも。
ぜんぶ、ぜーんぶ、透明のまま。
きっと神様にだってわからない。
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作者名:白身 | 作成日時:2022年3月4日 17時