もう君を愛せない

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自宅に戻るとかなりの疲労を感じた

心も身体も痛い、全部が痛い


阿「もう一度だけ、会いたかっただけなのに」


会えればいい、話せればいい

もう一度だけ、やり直せたらいい


どんどん希望や欲が膨らみすぎて

結果どん底を見ることになった



阿「恋人、かあ」



ふっかに恋人。

きっと、綺麗な人なんだろう

さぞかし綺麗で、女性らしい人だろう



馬鹿馬鹿しい、ふったのは俺の方なのに


ふられた気分じゃないか




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俺とふっかの出会いは高校2年の時

同じクラスになったことがきっかけだった


英語表現のクラスが一緒で席が隣になった

あ行とは行なのに珍しく隣になったふっか


深「ん、阿部か！よろしく！」


阿「深澤だっけ。よろしく」


深「おいおい！かたいな！もっと仲良くしような！」



こんな偶然がなかったら俺たちは仲良くならなかったと思う

俺は静かなのに対してふっかは明るい

対照的な二人だからこそ仲良くなれた





高2の夏、ふっかとの帰り道

部活後に二人で待ち合わせして一緒に帰った


深「あちいな」

阿「夏が本気出してきたな…」


襟の部分をパタパタさせるふっか


深「アイスでも食べるか」



二人でコンビニ寄ってソーダ味のアイスを買った

冷たいアイスを口に入れると頭がズキズキした

ソーダの味がじんわりと広がる



深「はあ、俺たち高2なのに彼女いねえよな」



ふっかが恋愛について触れてくる

一度もそんな話したことなかったのに




阿「急にどうした笑」


深「いやあ、なんか周りはいるのに

俺たちはいないじゃん。」


阿「あー確かに周りはいるな」


深「だろ？」



確かに俺たちの周りは恋人ができ始めていた

でもなぜか二人にはできなかった

きっとセットに見られてるからなんだろう




深「俺、将来子供欲しいんだよね」



その不意にあったその一言が俺の心に突き刺さる

男としてそれが当然なんだろう

異性を好きになって結婚して子供を作るのが当然なんだろう



でも、俺は



阿「…そうなんだ」


深「ま、俺みたいなの選ぶやつはいないけどな笑」




ふっかのことが、恋愛対象として好きだ








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