検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:72,826 hit

1 ページ1

.








.





3年前


午前10時過ぎのこと。

僕、深澤辰哉は1人で空港のベンチに座っていた。

周りは、家族だったり恋人だったり

沢山の人で賑わっていた。


1時間前から俺はここにいる。

たった1人で、ある人を待つために。




『ふっか、』



その人物が、俺の名前を呼んだ。

優しい声で、





深「亮平、」





阿部亮平。

2週間前に俺をふった元恋人。



大学院の研究で良い結果を残した優秀な人で

これから海外の大学で研究する為、日本を飛び立つ。





一緒に旅行に行った時持ってた大きな深緑のキャリーケース、

いい匂いがした茶色のチェスターコート

記念日に一緒に買った革靴


俺が好きな茶髪の、愛しい元恋人




深「もう、いくんだね」


阿「…うん。待っててくれたんだよね、、?」


深「ごめんな、どうしても最後に会いたくて」


阿「謝らないでよ。最後に会えて嬉しいよ」




最後になんて、言うなよ。

泣いちゃうだろ。




深「早く行けよ。もうちょっとだろ」


阿「本当だ、もう行かなくちゃ」




腕時計を見る亮平。

その腕時計、誕生日にあげたやつじゃん。





深「それ…まだ、持ってたんだ」


阿「そりゃあ、ね。

…ふっかから貰ったものは、大切だから」





感情が込み上げてくる。

なんて言ったらいいんだろう、

胸が熱くなって、じんわり涙が出そう。





じゃあ、なんでよ

亮平、なんで俺をふったの。



聞きたいけど心の中で自問自答して

俺は阿部の肩に手を置いた。



深「研究、頑張れよ。

自分の好きなものに挑戦し続ける亮平のこと

ずっと応援してるから」




ああ、もっといいたいことあるのにな


時間は刻一刻残酷と近づいている

もうお別れか



阿「ふっか。

今までありがとうね。


俺の夢を応援してくれてたふっかのこと

すごく大好きだったよ。」



やめてほしい、そんなこと言わないでほしい。




深「元気でな」


阿「ありがとう」





俺たちの運命は、これで終わってしまった

.








.

2→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (101 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
348人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ひーちゃん。(プロフ) - ytasanさん» 嬉しいコメントありがとうございます!! (2020年7月24日 22時) (レス) id: 666d245609 (このIDを非表示/違反報告)
ytasan(プロフ) - 更新の通知を見た時は声が出るほど嬉しかったです。最後まで楽しみにしています。 (2020年7月23日 4時) (レス) id: 5903fa3608 (このIDを非表示/違反報告)
ひーちゃん。(プロフ) - みきさん» コメントありがとうございます!こんなに切なくするはずじゃなかったんですけどね…泣 (2020年4月6日 20時) (レス) id: 666d245609 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 切ないですね…。ぜひ、ふっかさんと阿部ちゃんには、ハッピーエンドになってもらいたいですね。 (2020年4月5日 4時) (レス) id: 5ca5d758c8 (このIDを非表示/違反報告)
ひーちゃん。(プロフ) - ルルモさん» ぜひ作品の終わりまで読んでください!みんな幸せになる結末…頑張ります^_^ (2020年2月25日 23時) (レス) id: 666d245609 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ひらのん♪ | 作成日時:2020年2月16日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。