― drip ― (ページ10)

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そこで相手してたジョンインとセフンがきょとん、とした顔でこっちを見る。そこにいた数人の女の子達(お名前ちゃん含め)も頭にはてな浮かべてる。

うん、俺も同じ気持ち。だって指名入れてないもんね。ただお名前ちゃんを近くでちゃんと確認したくて思いついた案だし、まあ本人ってわかったしとりあえず間違えましたって引くか...

　『私が指名したの。さっきあの人に..』

　「..え？」

落ち着いた感じでそう言って、俺が話しかけようとしていたボーイの方向を見るお名前ちゃん。びっくりしすぎて自分からきたくせに声出ちゃったよ

いつのまに～ってみんなに言われて、少し笑いながら受け流してるお名前ちゃんの隣に腰を下ろす。

本人だって確認できたし隣に座ったのは良いものの、自分が相手してたとこのことを思い出す。ごめんなチャニョル、飯好きなだけ奢らから許して。

初対面のふりして会話に混ざって話してたら、みんなだんだん酔ってきてる。俺らと隣のこの子を除いて。

　「お名前ちゃんも飲めば良いのに」
　『お酒苦いから苦手なんです』

へぇ、ブラックは飲むくせに？

　「そういえばなんでヒョンのこと指名したの？」
　「確かに。ぼくとジョンインじゃ不満足ですか？」

　『んー..なんとなく？』

ジョンインとセフンが冗談めして笑いながらそう聞けば、まあ曖昧な答えしかできないはずで。俺はとにかく2人で話したい。

　『えっと、お手洗いどこですか？』

　「案内するよ。おいで」

セフンがすぐそこだよ。って言い切る前にお名前ちゃんの腕をとって、ほんとにすぐそこにあるトイレの方向とは、逆の方向に足を進めて予約の入ってない個室に入る。こりゃセフンとジョンインにも言い訳しなきゃだめだな。
　

扉を閉めてソファに座って隣をぽんぽん叩けば素直に座ってくれる。

　「ほんとにトイレ案内したほうがよかった？」
　『ううん、オッパと話したくてついた嘘だから。ありがとう。』
　「こちらこそ、指名したって言ってくれて助かったよ」

ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ「まじで！？すごいなそれ。」

　「そうなんだよ、だからごめんなさっき」
　「ベクが奢ってくれるんだろ？しかもラストだったし許してやる」
　「てか部屋まで入ってなに話したわけ？......した？」

にやにやしてる口元を押さえて眉毛をくいって上げるチャニョル。それでも様になるからはらたつな。

「なに話したってまあ..