― drip ― (ページ19)

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　『うわ、雨じゃん...』

朝起きた時は降ってなかったのに。適当に立て掛けてあった傘を取って家を出る。いつもは自転車だけど今日はバスかぁ、バス停どのへんだっけ。

チャニョルくんとの年齢差含めいろいろアウトなことに気付かされたあの日は翌朝起きたらもういなかった。そんなことでさえ少し寂しさを感じる私は、頭がおかしいんだろう。

そこから数日、チャニョルくんがわたしの家に来てない。べくちゃんに連れられて何回か保健室にはくるけど、たいした話はしてない。

　「ヌナ ! 」
　『おはよ～』

わたしを見つけて呼んでくれることが嬉しくて、心臓がばくばくする。なにも悟られないように平然を装おうけど、うまく笑えてないかも。

わたしがバス停に着いた後すぐにバスが来て後ろの方に並んで座る。

　「もうヌナって呼んでも怒らないんだ？」
　『2人の時だけね。』

そう言ったら返事はなくて、なんとなくチャニョルくんの耳が赤くなった気がするけどきっと気のせい。
　

学校前のバス停に着いて、一緒に降りる。勝手に2人で登校してる気持ちに浸る。だめだ。固くフタをしたはずな気持ちが今にも溢れそうになる。

　「ヌナ、今日昼休み保健室行くから。待ってて」
　『わかった。待ってるね～』

この話をしてる間のバス停から学校まではちょっとだけ歩くけど、もしかしたら他の生徒に聞かれてるかもしれない。不安とまた会える嬉しさと気持ちが交差する。

　『来ないじゃん...』

朝来るって言ったくせに！パクチャニョル！...てゆうか期待して落ち込んでるわたしがおかしい。

今日はお昼を持ってきてないから財布をもって学校の食堂へ向かう。なに食べようかな、

　「お名前先生、お昼一緒にいいですか？」
　『へ！？はい！えっと...キム先生？』
　「はい、キムミンソクです」

また綺麗な顔してんな。何の教科の先生だっけ... でもまだあんまり先生方と話せてなかったから話せるいいチャンス !

　『え...物理？体育科の先生だと思ってました...』
　「やっぱりそう見えます？よく言われるんですよね～」

ぷにぷにほっぺを持ち上げて笑うミンソク先生。ほっぺはぷにぷにのくせに腕はなんだかガッシリしてますもんね。

何故だかお昼のうどんはミンソク先生が奢ってくださって、当の本人はオムライスを食べてる。