― drip ― (ページ17)

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うわ、めっちゃやばい。めっちゃ緊張した。よくやった、パクチャニョルすごいぞ！

徒歩5秒の自分の部屋に着いた瞬間気が抜ける。

　「ヌナとか言っちゃった....」

歳上の女の人とかよく話すのはじめてだし、先生だし、先生っぽくないけど。しかも可愛いし。

エレベーターで会った瞬間から好奇心とか高揚感とか勢いだけで話を繋いでた。

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　「おはよチャニョル」
　
　「おー、ベク。おはよ」

朝から鼻歌歌って機嫌良さそうなベク。

　「今日もお名前先生のとこいこうな～」

　「....うん、いこ。」

昨日のことベクに言おうか迷ってたけど、やめた。
たぶんこいつもヌナのこと気に入ってるから。

授業の終わりと昼休みを知らせるチャイムがなって購買に直行する。

　「このまま行く？保健室」
　「うん。チャニョルそれだけ？飯は？」
　「お腹空いてない」

嘘。空いてる。
でもなんかいっぱい食ってるの子供っぽくてダサいかもだから、パックのオレンジジュースだけ。
　

昨日みたく、ベクが保健室の扉を開けて中へ入っていく。

　『はーい、ってまたきたの？』
　「先生、名前覚えてる？」
　『べくちゃんね。』
　「おお！さすが」

昨日ことなんてなかったみたいにヌナに声をかける。

　「俺は、おぼえてる？」
　『...パクチャニョルっ』

　「っ、正解」

なに今の顔。

椅子に座るヌナは立ってる俺を自然と上目遣いで見上げてて、でも目が合ったのは名前を言った一瞬だけですぐ逸らされた。すごい恥ずかしそうに。

　『ここで食べるの～？』
　「いいでしょ？仲良くしようよ」
　『強引だねえべくちゃん。』
　「先生は食べないの？」
　『たべるよ、』

デスクの横にあった鞄をごそごそして中からお弁当らしきものを取り出すヌナ。

ベクはまた俺を差し置いてずーっとヌナと話してる。羨ましいけど、今口を開いたら昨日のことを言ってしまいそうでつい口数が減る。

かわりにパックのジュースにストローさしてちびちび飲んでたらまた、ヌナと目が合う。

　
　『お昼それだけ？』
　「うん、」
　『これ食べる？』

ヌナが手作りであろう卵焼きをお箸でつまんで見せる。そのまま食べようとしたら、

　「こいつ、腹減ってないらしいから」

早口でそう言ってベクが横からそれを食べた。

　