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21 atsuto side ページ21

会場に着いて驚いたのはその人の数。


人気があるとは聞いてたけど


まさかここまでとは思わなかった。



麻也「やっぱり美沙 ちゃんのライブともなればすごい人だよねー!あ、うっちー、俺ら一応関係者入口から入れるみたいだよ。ほら、せっかくのライブなのに違う騒ぎをたてたら申し訳ないじゃん。」




篤人「あー、まあね。てか、なんで来れたの?しかも急にさ。」




麻也「やっと聞いてくれました!あのね、なんか今日来るはずだった団体さんがなにかの都合で来れなくなったらしくて、理由は分からないんだけどさ、そしたら美沙 ちゃんが、出演してるCMの会社にその分のチケットを譲って、で、俺はそのCMに出演してるから、よかったらどうですか?って2枚くれたんだよー!もう、これは俺のおかげでしょ?」



篤人「うん、まあね。まあ、ありがと。」




ライブに行こうかなって思ってたのは事実。


"あー、私の声です。"

なんて言われて気にならないわけないじゃん。



毎日聴いてんだから。


会場に入って、関係者入口から入ったから

席もそういう席があるのかと思ったけど

そうじゃなくて。




こっちの方がよかったんだけどね。




そしたら目の前に人ごみを必死にかきわけてる人がいて



ショートカットの黒髪は


セットなんて言葉が似合わないくらいボサボサで



周りの人は少しひいてるかんじ。







確信なんてできないけど




暗闇のなかの一つだけの灯りのしたで



一度だけほんの数分しか話してないけど





でも俺はその人から目が離せなかった。

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作者名: | 作成日時:2013年12月14日 17時

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