【星名漣】恋愛≠依存【きみが心に棲みついた】

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その様子におかしいと思った私は今日子ちゃんのスマホの画面を見る。


非通知着信…もしかして、漣？


「…出ないの？」


それに気づいた堀田さんが戻ってくると、今日子ちゃんに声をかける。


「で…出ぬ…出ませぬ…！なりませぬ…！」


「なんで時代劇口調？」


いつもより酷い挙動不審に少し引きながらも堀田さんが突っ込んだ。


だが、私は今日子ちゃんのもとにも漣からと思われる非通知着信が来ているということに驚いて、その場で固まってしまっていた。


「切るべし…切るべき…！切るべけれ…！」


「活用した…！」


そして今日子ちゃんが切ろうとした矢先、着信は切れた。


「はぁ〜…はぁ…」


それに今日子ちゃんは安心したように気が抜けた。


そしていつも首にねじねじに巻いているストールに触れる。


「ねぇオガちゃん…なんでいつもその…ねじねじしてんの？」


堀田さんが不思議そうにそう聞くと、今日子ちゃんは、


「あぁ、これは…ただ、落ち着くんです…これがあると」


と答えた。そこで私はもしかすると、今日子ちゃんはまだあの関係からは完璧に抜け出せていないのかもしれない、と悟った。


「でも〜…今日の服装には合ってないから取っちゃえば？」


堀田さんがそう指摘するが、今日子ちゃんは断固首を横に振る。


「絶っ対ないほうが可愛いと思うよ」


「あっこれはっ」


今日子ちゃんはストールの意味を話そうとしたが、堀田さんによって遮られてしまった。


「彼氏作る気あるの〜？ほら、Aも固まってないで！今日は、オガちゃんとAのためにセッティングしたんだよ？」


「そぉだよ〜私たち間に合ってんだからさ〜」


「取っちゃいなよ〜！はい！」


「わぁぁちょっと！わぁぁ！」

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