【星名漣】恋愛≠依存【きみが心に棲みついた】

1 ページ1

「おはようございます〜」


「おはようございます！」


大学を中退してから、私は下着メーカーである『Lapoire』に就職した。


そこから仕事にも慣れて、順調に毎日を過ごしていたある日。


春になって、今日から新入社員が数名来るとの話がきた。


「新入社員ねぇ…あぁ〜もうそんな季節なんだね〜」


社内にある食堂で堀田と一緒に昼食を食べながら、私はそう言った。


「そうだよ〜？あ、じゃあAが来てもう三年かぁ」


堀田ははっとしたようにそう話す。


「ほんとだ、あっという間だなぁ〜」


私はその頃を思い出して、穏やかに目を細めた。


…その時から失敗が嫌いで、何事も失敗しないように気を付けて、それで気を張りすぎて空回りしちゃったこともあったけど…


堀田さんだとか職場の皆に支えてもらって、なんとかやってきてたなぁ…。


そうして食べながら少し周りを見渡していると、懐かしくて、でも会いたくはなかった人の姿が見えた。


「…え？」


思わず声に出て、食べていたハンバーガーを落としてしまった。


その音で向こうもこちらに気付いて、大きく目を見開く。


「A…ちゃん…？」


「え…今日子ちゃん…？」

2→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す