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丁度仕事が終わって帰ろうとしていた所だったこともあり急いで病院に戻ると、手術室の前の椅子に天堂が心配そうな面持ちで座っていた。
「浬…夜勤だったの?」
「…A…あぁ」
天堂は彼女が来たのに気付くと、少し安心したように表情を和らげた。
「今…みのりも頑張ってるから…信じよう?」
彼女の声に天堂はこくりと頷いてから俯いた。
それからは長い沈黙が続いて、手術中のランプが消えてしばらくすると先生方が手術室から出てきた。
それからみのりの親御さんと先生が話しているのが聞こえてくる。
「予想以上に進行してしまっています。もう心臓移植しかないでしょう」
その言葉に思わず目を見開いた。
…心臓移植と言っても、適合するドナーがすぐに見つかるかどうか。
ドナーを待っている間に亡くなってしまう方もいるのだ。
ここまで来てしまえば一刻を争う。
術後、みのりはICUに移動した。
目を開けないまま横たわる姿はひどく痛々しく、心が締め付けられる。
その姿を見た天堂もショックに目を見開いた。
いつも元気で、周りまで明るくなるようないい子だった。
だからみのりは大丈夫、絶対治してまたここで元気に先生してくれるはず。
…そう信じたいのに。
みのりが亡くなったのは、その数日後だった。
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aya(プロフ) - めちゃめちゃ続きが気になります…!!!更新、楽しみにしてます! (2020年3月20日 17時) (レス) id: 4de2e379e0 (このIDを非表示/違反報告)
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