【名探偵コナン】ゼロの紅一点【降谷零】

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「…!?」


シェリー…灰原哀は届いたメールを見ると、大きく目を見開いた。


その瞳は恐怖の一色に染まっていた。


(スコーピオンなんてコードネーム…聞いたことない。きっと私が組織を抜けてから入ってきた人なんでしょうけど…)


どうしてメールアドレスを知っているのか。


どうして今、私を狙ってきているのか。


気になることは沢山あったが、このメールを見た彼女には恐怖で冷静に考えられない。


(私が行かなければ、周りにまで危害が及ぶ…いたずらのメールなんてことは考えられないし)


…明日が命日なんてね。


心の奥底でそう思いながらも、引き出しから紙とペンを取り出して震える手を精一杯働かせて手紙を書いた。


ことの経緯、今の気持ち、みんなへの感謝＿


いつの間にか流れていた涙でインクが滲む。


…最後になるかもしれない、もしも私が帰ってこなかったら、この手紙に気付いてもらえるように。


あのメールを見る限り、というより周りの人間を人質にする限り、私が行ってもただでは帰ってこれない。


組織の人間は、それほど冷酷だから。


そして一通り書き終えると、はっと息をついた。


手紙は二回ほど折りたたむと、紙とペンとともに引き出しに入れる。


そこから彼女はフードを深くかぶって靴を履くと、「…さようなら」と小さく呟いて阿笠邸を去った。

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