【名探偵コナン】ゼロの紅一点【降谷零】

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「あとこのことなんだが…」


赤井が思い出したようにそう言うと、Aはあぁ、と声を出すと、


「零には秘密。でしょ？」


そうウインクして言い当てた。


「あぁ…緑川くんのことも、俺のこともな」


それに秀一さんは軽く笑いながらも、そう返す。


緑川に至っては「良くも悪くも変わんねぇなぁ…」なんて呟いて遠い目をしていた。…それどういうことやねん。


「…で、この子と会わせたかった理由は？」


Aはそう言ってコナンを無理矢理膝の上に乗せる。コナンも抵抗したが彼女の力に叶わず仕方なくそこに居座っていた。


「いや…紹介をしておきたかっただけだよ。君もボウヤも…組織に噛みつこうとしている犬だからな…」


秀一さんがそう言うと、緑川がコナンくんを神妙そうに見つめた。


…赤井さんのすり替えトリックを発案したのもあの子らしいし、やっぱりただの小学生じゃないんだな、と思いながら。


「…秀一さん、本当に大丈夫なんですね？」


「あぁ、彼の身は保証しよう」


秀一さんのその言葉にはぁっと一息ついて、


「…なら。普段はこんな軽く正体を明かさないものだけど…私は警察庁警備局、警備企画課所属の堂本Aです。よろしくね」


と自身の正体を明かした。秀一さんが信用しているなら大丈夫だろう。…でも自分でも思う。それでよく公安が(中でもゼロが)務まるな、と。


「江戸川コナン…僕探偵なんだ！」


そして秀一さんの信用する小学生となれば、もはや彼の自己紹介は後半無理矢理子供っぽく欺いた感じがしてならない。


…もしかすると、あの薬を飲まされた被害者の一人なのかも…。

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