【名探偵コナン】ゼロの紅一点【降谷零】

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その零の話に、Aは大きく目を見開いた。


…緑川がもうこの世にいない、ということも信じられないが、それがまさか、秀一さんが緑川を始末した、というような言い方で…。


信じられない様子のAをおいて、零は続きを話し出す。


「…おい！スコッチ！…くそっ…」


すぐに倒れた緑川に駆け寄ってみるが、意識はない。


心臓の鼓動を聞こうとすると、緑川を始末した張本人らしい人影はこちらに話しかけた。


「心臓の鼓動を聞いても無駄だ…死んでるよ。拳銃で心臓をぶち抜いてやったからな」


それに彼はその人影を思い切り睨む。


「ライ…貴様っ…！」


「聞いてないのか？コイツは、日本の公安の犬さ…」


ライ…赤井秀一は、不思議そうにそう言うと拳銃を懐にしまう。


「残念なのは、奴の胸のポケットに入った、携帯事ぶち抜いてしまったこと…おかげでソイツの身元は分からずじまい…幽霊を殺したようで、気味が悪いぜ…」


あの男はそうとだけ言うとその場を去ってしまった。


大量の血を流して倒れる緑川に、あの男の言う通り死んでいて、もう助からないんだと再認識すると、驚き、怒り、悲しみ…色んな感情に苛まれて涙も出なかった。


…もうすぐ組織の下っ端が後処理をしに来るはずだ。ずっとここにはいられない。


「…くそっ」


そう呟いて、零もその場を去った。

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