【名探偵コナン】ゼロの紅一点【降谷零】

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その日。Aが堂本A名義の家に帰ると、室内には何やら人影がある。


それに気付いた彼女はそっと鍵を閉めるとリビングに繋がる扉のドアの前で銃を構えて様子を見る。


…どうやら室内を物色している様子はない。ただソファーに座っているだけだ。


人の家に不法侵入してまで何がしたいんだ、と内心呆れながらも、銃を持ってバッと扉を開けた。


「あぁ、A。おかえり。…どうしたんだ、その銃」


そこでは零が平然とソファーに座ってコーヒーを飲んでくつろいでいる。


今日は零を部屋に呼ぶどころか会う約束もしていない。それに家は確かに鍵を二重にして閉めていた。


「いや、どうしたんだじゃなくて…それ、不法侵入…」


「知らないな、そんな言葉」


…まあそりゃあ分かっててやったんだろうねこんちくしょう。


「…何の用？」


彼女は呆れてそう零に聞くと、軽く肩を竦めた。


「まあそんな冷たく言うなよ。聞きたいことがあっただけだから」


「不法侵入してまで聞きたい話って？それに、鍵…どうしたの？」


Aはそう疑問に思っていたことをぶつけると、やはり予想通りの言葉が返ってきた。


「あぁ。ピッキング。二重になってたから手こずったよ…ちゃんとセキュリティー良いとこ住んでるんだな」


…それセキュリティー会社の人も、ピッキング成功した人に言われたくないだろうに。


そう思って乾いた笑いを浮かべると、やっと本題に入った。


「で、聞きたいことって何？」

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