【名探偵コナン】ゼロの紅一点【降谷零】

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Aがそう話を切り出すと、ジョディの表情は曇った。


「あの日…秀はキールからの「組織から逃げるための手助けをしてほしい」っていうメールを受け取って…罠だって秀本人も分かってたし止めたのに、聞かなかったのよ…」


でもあそこで秀が行かなければ、キールが殺されていたわ…ジョディがそう話すと、Aはただ黙って考え込んだ。


そしてしばらくの沈黙が流れた後に、Aが一つ疑問に思ったことを聞いた。


「でも、その後キールによって彼のシボレーごと焼かれたんでしょ？なぜ秀一さん本人だって分かったの？」


「それは、直前に秀が触れていた携帯とかろうじて焼け残った右手の指紋が一致したからよ…」


それに、Aはまた疑問に思う。


…秀一さんって、左利きだったような…


「その日、秀一さんの様子がおかしかったとかはなかった？」


何かが納得いかない。何かがおかしいと思って、ジョディにそう聞いてみる。


「いや、特にそんなことは…あ、でも…あの時秀が珍しく缶コーヒーを手から滑らせて落としたのよね」


…コーヒーを滑らせた？


こんなこと何にもならないか、と少し笑うジョディに、「いや、参考になったよ…」とだけ返すと、また彼女は独り、考え込んだ。

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