【名探偵コナン】ゼロの紅一点【降谷零】

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「でもびっくりしたよ。まさか私のデスクの上に車のキーと置手紙が置いてあるなんてさ…」


さっきのバーでスコーピオンを呑んでしまったために、車は運転できない。


そこで自分の愛車を任せられる人なんて、彼の頭の中には一人しか思い浮かばなかった。


「あぁ…ちょっと電話はできなさそうだったから。お礼に夜ご飯作るよ、どうせまともに食ってないんだろ。とりあえずまた俺の家な」


「まじ？ありがとう、悔しいけど当たり」


その言葉に「なんで食べないんだよ、馬鹿」と言って微笑むと、ふと彼女のほうを見る。


もう何度かこのステアリングを握っているからかこの車の運転は慣れたようで、慣れた手つきでギアチェンジをしていく。


クラッチの繋ぎも上手い。ドライビングテクニックを持ち合わせていることは知っているが、ここまでだともうこの車でも乗り回せるんじゃないかと思うほど。


…車の運転か。そういえばこの間風見に聞いた話だが、俺は人に自分の愛車を運転させないことが警察庁内でちょっと有名らしい。言われてみれば確かにそうかもしれないな。A以外に運転させたことは一度もないし、これからもない。


(ここまで来ると俺、かなりAに溺れてる気がする)


そう思うと彼は内心苦笑いした。

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