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38.面接 ページ39





それから私はどういうわけか、土の中に潜りたくなった。
そんな趣味はないしやったこともない。けれど急に潜りたくなったので、ひたすらに穴を掘った。

途中で他の受験者に狙われたが何も考えずに倒し、自分がすっぽり入れるだけの穴を掘った。

そしてそこに入り込み、残りの日数を寝て過ごした。



「A。そろそろ時間だよ。いつまで寝てるつもり?」

「ん? あ、イル兄……」



イル兄に起こされたのは最終日だった。
なんで私の居場所が分かったのだろう。



「起こしてくれてありがとう」



まぁ、なんでもいいや。合格できればそれでいい。



_____


飛行船に乗ると、面接を行うということで、ネテロ会長に呼び出された。



「ハンターになりたい理由は?」

「取れと言われたから」

「受験者の中で1番注目しているのは?」

「いない」

「受験者の中で戦いたくないのは?」

「別に」



どうにも頭がハッキリしない。ぼーっとする。
まさか土の中で寝たせいで変な病気にかかったんじゃ……。

私はその考えをふるい落とすように首を振る。



「おいA大丈夫か? 4次試験が始まってからおかしいぞ」



飛行船内を歩いていると、キルアに遭遇した。ゴンも一緒だ。
2人でいる姿は、どんなことよりも自然なことに感じた。そこに私はいない。いない方がしっくりくる。

って……何考えてるんだろ、私。




「大丈夫」

「顔色が悪いよ!何か食べて少し休んだ方がいいんじゃないかな?」



ゴンが心配そうな顔をして言う。大して関わりも深くないのに、この子は本当に私とはまるで違う。

私が何も言わずにその場を離れようとすると、キルアは取ってつけたように「A!」と叫んだ。



「ちょっと、2人で話せるか?」

「話すことなんてないよ」

「おい待てよ!」



キルアは私の肩を掴み揺さぶる。



「ほんとにどうしちまったんだよ! なんでそんなに冷たいんだよ!?」



「いつもはあんなに無邪気に……」キルアはそこで言葉を止めた。そして力なく私の肩から手を離すと



「嫌ならいいや。ゆっくり休めよ。行こうぜ、ゴン」



と言ってゴンと一緒に去って行った。
私はそれを横目で見てから、また歩を進めた。

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ゆー(プロフ) - めためた面白かったです。いやでも、ホントキルア尊くて〇ねるっすわ(( (2022年9月20日 19時) (レス) @page47 id: eccc105014 (このIDを非表示/違反報告)
みくる(プロフ) - 死神鎌少女さん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございます!! 完結最近なんですよね(笑)めっちゃ時間かかりました😂 (2022年4月2日 8時) (レス) @page47 id: af4838d834 (このIDを非表示/違反報告)
死神鎌少女 - 完結おめでとうございます。とっても面白かったです!というか、完結したのつい最近すぎて嬉しかった(?) (2022年3月30日 17時) (レス) @page47 id: 5fc4c4d6bd (このIDを非表示/違反報告)
みくる(プロフ) - メロさん» 一気読みありがとうございます!!嬉しいです……。そうなんですよ、完結までめっちゃ時間かかってしまいました笑 (2022年2月17日 21時) (レス) id: af4838d834 (このIDを非表示/違反報告)
メロ(プロフ) - 今日初めて見ましたが、一日で全て読んでしまいました…しかも完結したのがつい最近だと知り、とてもびっくりしてます!とっても面白かったです!素敵な作品をありがとうございました!! (2022年2月16日 23時) (レス) @page47 id: 90cba439c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みくる | 作成日時:2019年3月30日 18時

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