切実にモテたい【爆豪勝己】 (ページ10)

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「ところでかっちゃん、何で来たの？」

八百万さんのおかげで忘れていたが、そもそもかっちゃんが私のところに来た理由はなんだ。

と思えば、

「……次移動教室だろがボケ!!」

なんて怒鳴られた。

「うん、知ってるよ」

「さっさと行くぞノロマ!!」

「え？」

一緒に行くの？いつもはそれぞれ違う人と行っているのに。さっきからどうしてしまったんだかっちゃん。

思考していると舌打ちをされた。

仕方ない。一緒に行ってあげよう。

教科書をまとめ立ち上がると、かっちゃんは歩き出した。

「あれ、Aちゃん爆豪君と行くん？」

「なんかそうみたい。ごめん、今回は違う人と行ってもらえるかな？」

いつものように来てくれたお茶子ちゃんに許可をもらい、急いでかっちゃんを追いかける。

教室を出ると、なんとかっちゃんはもう50メートルほども前にいた。

速いなおい。ほんとに私と行く気があるとは思えん。小走りでかっちゃんを追う。

しかし、残り数メートルというところで正面から走ってきた知らない男子と衝突してしまった。

「わっ！」

衝撃で持っているものすべてを取り落としてしまった。

「あちゃー！ごめんね、大丈夫？」

「てめぇちゃんと前見て走れや!!」

「そこじゃないよかっちゃん！前見ても走っちゃダメだよ!!」

足を止めこちらに向かってくるかっちゃんにつっこむ。

「ひぃっ本当にすみませんでした!!」

ぶつかって来た男子はかっちゃんの恐ろしさに頭を勢いよく下げ謝った。

「大丈夫ですから、気にしないでください！あと、この子怖いけどそんなに怖くないんで！まぁ怖いけど！」

「どっちじゃボケェ!!」

「と、とにかくもういいですから行ってください怒鳴られる前に」

「失礼致します!!」

その子は一緒に歩いていたもう1人の男子に駆け寄った。

その時、確かに聞こえてしまった2人の会話。

「お前狙ってんじゃねぇよ!!」

「狙ったわけじゃねぇわ!! でも確かに可愛かったな」