切実にモテたい【爆豪勝己】 (ページ12)

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最近変わったことがある。それは、すれ違う人の視線だ。

今までは、ふと目が合ってもお互いに逸らして、それから1度も視線など向けられることなく通り過ぎる。

しかしなんと、最近はこちらが相手のことを見ていなくてもよく視線を向けられる。そのまま通り過ぎるまで目で追われることもある。

見られた時に私も相手を見ると逸らされるけれど、真横まで来た時にもう一度チラリと見られるのである。

「どう思うかっちゃん」

「どうってなんだよ」

この不可思議な現象について、かっちゃんに意見を求める。同じ男子として、理由がわかるかもしれない。

まぁ、同性にも見られることもあるけれども。

かっちゃんは少々黙り込むと、静かに口を開いた。

「気になるからじゃねぇの」

「なんで？」

「なんでじゃねぇアホ！わからんのか！」

かっちゃんは怒鳴るが、正直わからない。

考えていると、かっちゃんは大きくため息をついた。

「じゃあお前はどうだよ。すれ違う奴で見る時ってどんな時だよ」

そう言われ、振り返ってみる。

「うーん……相手がすごい目立つ格好してる時とか……」

「とか？」

あとは……

「すごいかわいい人とイケメンの人」

「だろうが」

「え？」

だろうがってなんだ？

「私、目立つ格好してたかな……」

「んなこと自分でわかるだろが」

「してないと思う」

そう言うとかっちゃんは「だろうが」というような顔をして見てくる。

「え……まさか」

「最初からわかるだろうがんなこと！俺に聞くまでもねぇんだよ!!」

「えっかっちゃん私のこと可愛いと思ってくれてるの!?」

思わず大声を出してしまった。かっちゃんは盛大に舌打ちをし「別に言ってねぇだろ!!」と顔を赤くしながら言った。

「やだかっちゃん、嬉しいよありがとう」

頬を真紅に染めて、口元に手を当てるかっちゃん。

こんな姿初めてだ。