【MHA】頭のネジ、はよ拾ってこいや【爆豪】 (ページ7)

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ネジ、ろっぽんめ。ページ7

ストーカー女は動揺しているのか、箸でうどんを掴もうとしても麺に少しも触れてすらいない。
　手は震えていて、耳はまだ赤いままだ。

「……青春してんな」

　空気化していた、豚カツを頬張る切島がポツリと呟いた。
　何が青春だ。ふざけんな。
　妙な空気が流れて、沈黙が続く。

「……悪かったな」

　確認せずに飲んだ自分のせいでもあったため、俺は小さな声で言った。
　ストーカー女は「大丈夫」なんて言っているが、顔は未だに赤いまま。

「そっちのコップならまだ使ってねぇから、そっち使え」

　と、過ぎていく昼休みの時間を気にして、再びうどんを食べ始めた。
　ストーカー女が「うん」と言って、そのコップを手に取る。

(……っ調子狂うわ)

　そんなことを気にせず、むしろテンションが上がってウザくなると思っていた奴が、実はこんなだったとはな。さっきと態度が全然ちげぇ。
　俺は無言でうどんを啜った。ストーカー女が急に静かになり、違和感を感じる。

「俺、食べ終わったから先に教室戻るわ」

　モヤモヤした気持ちでうどんを食べていると、空になった食器を持って、切島は立ち上がった。

「あ？」

「お前らはゆっくりしてけよ！」

　未だに気まずい空気が漂う中、切島は食べ終わった食器と座っていた椅子をしまい、切島は食堂を後にした。
　俺とストーカー女だけが残され、無言でカレーうどんを啜る。
　早くその場から離れたかったが、生憎カレーうどんはまだ残っているため、椅子から立ち上がることは出来なかった。

「えーと、爆豪くん……？」

　沈黙が続いていたが、ストーカー女の言葉によってそれは破られる。
　時間が経ったからか、顔の赤みは薄くなっていた。

「その、私もごめんね」

　ストーカー女は言った。

「っんで、テメェが謝ってんだよ」

　横目でジロリとストーカー女を見る。

「だってさ、私がもっと早く言えば、爆豪くん嫌な思いしなかったでしょ？」

　いつもはポジティブ思考なのに、何故かボソボソと喋るソイツ。
　俺は「ああ、そうだな」と言って話を続けた。