【MHA】頭のネジ、はよ拾ってこいや【爆豪】 (ページ3)

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ネジ、にほんめ。ページ3

アイツの煩い声を遠ざけるため、通学用バッグからイヤホンを取り出す。
　すぐに両耳につけると、スマホから曲を適当に流した。
　声が聞こえないように、大音量にする。
　それと同時に目を瞑って、視界を閉ざす。
　片方の目を薄く開けて見ると、アイツは、口を尖らせて頬を膨らましている。
　ざまぁみろだな。

「＿＿＿いなぁ」

　何かを言っているようだが、大音量で曲を流しているため、所々でしか聞こえない。
　それが目的だったため、当たり前だが。

「＿＿＿や」

　アイツは一言だけ何かを呟き、それ以降声が聞こえなくなった。
　やっと、どっかにいったか。
　俺は曲を聴く方に集中することにし、机にうつ伏せた。
　朝だからか、まだ少し眠気がある。

「……は？」

　気持ちよく曲を聴いていると、片方のイヤホンだけが取れた。……というより、取られた。
　顔を起き上がらせ、周りを見る。
　そこには、右耳の方のイヤホンを持っているストーカー女の姿。

「テメェ」

　睨みながら、ストーカー女のことを見る。
　アイツは、また何も感じていないらしく、笑っている。

「なんの曲聴いてるの？」

　相当不機嫌な顔をしているはずの俺に、まだ笑顔で話しかけてくるストーカー女は、よほどアホなのかもしれない。
　人の感情は無視らしい。

「テメェに関係ねぇだろ」

　と、顔も見ずに冷たく言い放つ。

「えー、いいじゃん。教えてよー」

　いくら冷たく返そうが、本人には関係ないらしい。
　こんなにしつこいと、流石に自分も疲れてくる。
　俺は、しかたなく曲名をポツリと言って、取られた右耳のイヤホンをまた耳につけ直した。