【MHA】頭のネジ、はよ拾ってこいや【爆豪】 (ページ2)

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ネジ、いっぽんめ。ページ2

中学の時から毎日、しつこく構ってくる奴がいる。
　俺の周りを常にピョンピョン跳ねながらうろついて、何度も告白をしてくる。
　正直言って、俺はソイツのことが好きではない。
　というより、面倒臭いから関わりたくない。
　なのに、今日もアイツは懲りずに告白をしてくる。

「爆豪くん、おっはよー！今日も好きだよ！」

　教室に入って一番に目に入ったソイツは、朝から元気に場所を気にせずに言った。
　そして、いつものように俺はそれを上手く交わして自分の席に向かう。
　だが、無視をされようが気にしないアイツは、ガムを靴で踏んだときみたいに粘り強く俺についてくる。

「ねぇねぇ、爆豪くん。好きー」

「……」

　対応が面倒臭く、本当は聞こえているが、何も聞こえていないふりをした。
　しかし、アイツは諦めない。

「ねー、爆豪くーん」

　イライラして、ヘラヘラと笑うアイツに我慢できずに怒鳴り散らそうかと、ソイツの方を睨む。
　そんなことを知るわけがないソイツは、嬉しそうにニヤニヤと笑った。

「やっと見てくれた」

　溶けているんじゃないかってほど、幸せそうに笑っている。
　睨んでいるというのに、相手はまったく動じていない。
　怒鳴って追い払おうと思っていたが、気が失せて、怒鳴るのはやめることにした。

「しつけぇんだよ、ストーカー女。はよ、どっか行け」

　怒鳴りはしなかったものの、イライラは治まらず、思っていたことを口にした。
　なのに、何故かストーカー女の顔は嬉しそうだ。

「わぁ、爆豪くんが私に口きいてくれるのなんて、いつぶりかなぁ……っ！」

　目を輝かせて、両手を指で絡めて握っている。
　頭のネジ、ぜってぇ無くしてるだろコイツ。
　冷めきった目で見ても、表情はもっと嬉しそうになっていくばかりだ。