双子になって九十四日目。 ページ6
「分かった...。けど、少しでもホントのことを濁して言ったらすぐ訂正するからね！」
俺は徹のその言葉に頷き語りはじめた。
「胃の方のことはみんなだいたい知ってるよな。
そっちの方はちゃんと休んだら完全回復...とまではまだ行かなくとも、初めに比べて大分良くなったよ。
薬の方は当面徹管理だからもう過剰摂取することはないと思う。
精神面のほうは殆ど良くなったしね。
そんで、みんな気になってると思うのはこのメガネだよね。
まぁ、わかりやすくいうとアルビノらしい。目に光が入りすぎるんだよ。きっかけは...ストレスだ。
もともと色素が殆ど無くて今まで普通に見えていたことが奇跡らしいんだ。所々そういう風に思える節はあったけどな。目が悪いのも小さい頃からそうだったからまさかアルビノだとは思ってなかった。
俺の目にはバレーで必ず見ることになる公式戦でのスポットライトとかがタブーなんだ。だからバレーは出来ない。
でも俺はまだバレーを諦めたくない。
お前らからしたらただの足枷かもしれないけど、まだバレー部に居させてくれ。」
俺は全てを言い終わると同時に頭を下げた。
後輩たちが泣いているのが聞こえる。
「...いやですｯ....」
「...矢巾？」
俺は戸惑って矢巾を見つめる。
「嫌ですｯ....バレー部にいるだけじゃい"やです！！！
怜羅ざんとｯ....もういっじょにバレーでぎないなんていやです！！またｯバレーしだいです！！トスあげたいｯです！
目のことまだあぎらめないでくらざいｯ！！今まではよがったんですからぎっと治ります！！！
俺は治るまでｯいつまでも待っでますがら！！！」
矢巾が顔を涙でぐっちゃぐちゃにさせながらそう言うと渡も花巻も松川もみんな泣き出してしまって、
俺はこんなに愛されていたんだと身に染みて感じた。
泣いているみんなのことをみて俺も段々目尻があつくなってきて涙が零れた。
「ごめんｯ...ごめんなぁ矢巾ぁ....俺もまたお前らとバレーしてぇなぁｯ...ごめんなぁｯ」
俺はアルビノが治らない病だということを知っているから治して一緒にバレーやろうと言う矢巾に答えることが出来なかった。
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作者名：しばいーぬ | 作成日時：2021年11月26日 19時
