双子になって百四日目。 ページ26
「これが俺が生きながらえた理由だ。」
銀時が語り終えたあと俺もこれまでの経緯を話した。
母さんに捨てられたこと。
それを今のお母さんが拾ってくれたこと。
剣道をやめたこと。
バレーを始めたこと。
いろいろ話し終わって、すこしの沈黙が訪れた。
それを振り払うように徹が笑う。
「ほんっと怜羅も銀時くんも相手のこと大好きかよ！俺と岩ちゃんの超絶信頼関係にも勝るとも劣らない関係だよ！！！
...だからさ。怜羅。
お前らはこれから一緒にいるべきだよ。」
そう。徹が泣きそうな顔で、笑う。
「とおる、？」
徹の焦点があっていない気がする。
俺が机の上に出していた手をがっちりと掴まれる。
ぎちぎちと手が圧迫されて痛みが増していく。
「今まで離れてた分これから一緒にいるべきだ。
怜羅。お前はずっと銀時くんに会いたかったんだよね。一緒にいたいんだよね。
大丈夫。俺は分かるよ。岩ちゃんだったらって思うとゾッとするもん。
だからね。怜羅お前は」
「いやだ！！！！！」
「俺はお前たちとバレーしてたい！！！！
銀時と会えたことは嬉しいし！一緒にいたいってのは合ってる！けど！！
お前たちとバレーすることを捨ててまでそれを選ぼうとはしない！
矢巾が待ってる！！俺の目を治して一緒にバレーするのを！俺たちはまだ全国行ってない！！お前たちと俺は全国行って！優勝したいんだよ！！
こんな俺が！バレーやっててもいいって！1番に肯定してくれお前が！！なんで、そんなことを言うんだよ...！！！」
俺は途中からボロボロ泣いて、徹に叫んだ。
「ごめん...怜羅。ごめんね。おれもお前とずっとバレーしてたいよ。
銀時くんのことを怜羅がいちばん大事に思ってるのも知ってるけど、おれも...お前とバレーしたい。
怜羅がバレーをッ、俺たちのことを大好きだってこと知ってたのに。分かってたと思ってたのに...銀時くんに会ったらさ、
なんか。...敵わないなって思っちゃって...ッ
いいの、？ほんとに。銀時くんとじゃなくても。
俺で、俺たちで。いいの？」
「当たり前だろ...ｯ。徹。俺は青葉城西のマネージャーだ。」
続く (更新停止中)
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作者名：しばいーぬ | 作成日時：2021年11月26日 19時
