双子になって百十日目。 ページ22
試合が終わりコートから人が居なくなると直ぐに銀時に連絡を取った。
数回コールがなったあともしもしと銀時が出る。
ああ、ほんとに生きてるんだ！
俺はまだ夢見心地のまま指定された場所に赴く。
もちろん徹達も一緒だ。
売店の角を曲がると臙脂色の中に先程見たばかりの銀髪が一つあった。
「銀時！！」
「おー、怜羅！改めて久しぶりだな。」
俺が駆け寄ると銀時は、んでそちらは？と徹達の方に目配せする。
「話すと長くなるんだけどね、今の俺の兄弟とチームメイトだよ。」
「どうも、及川徹です。血は繋がってないけど一応兄です。」
徹を初め岩泉達も順に自己紹介をしていく。
最後に銀時が徹達に改めて自己紹介をした。
一通り紹介し終わったあと銀時が一つ質問いーい？と俺に聞いた。
「兄ってどゆこと？あいつ再婚でもしたの？」
一瞬あいつが誰だか分からなかった。
けどそれは直ぐに思い当たる。
きっと母さんだ。
俺を置いて出ていった。本当の母さん。
俺は目を伏せ口を噤んだ。
「やべ、触れちゃいけない感じだったか？」
「じゃあ俺から説明するよ。俺が知っている範囲で、
立ち話もなんだしファミレスとかどう？お腹も空いてるだろうし。この後銀時くんが予定大丈夫ならだけど。」
そう徹が問うとあー、、、と銀時は目線を1番君に逸らす。
銀時からの視線に彼はすぐ気づいてこちらに駆け寄ってきた。
「さっきはすぐ追い払ってしもうて、すまんなぁ。
俺は北信介や一応稲荷崎のキャプテンしてます。よろしくな。
で、どしたんや？」
銀時が事情を説明すると二つ返事で1番君基、北くんは許可してくれた。倫太郎も連れて行って良いとも。
今すぐミーティングしたいだろうに少し申し訳なく思ったがここはお言葉に甘えさせてもらった。
こうして俺たちは会場からほど近いファミレスへ足を運んだ。
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作者名：しばいーぬ | 作成日時：2021年11月26日 19時
