双子になって百六日目。 ページ18
「それが....」
「あ、侑居た。もう見つかった...」
侑くんが来た方からとことこと歩いてくる人間が一人。俺を捉えた瞬間凄い形相で走りよってきた。
え、俺そういう日？
だだだだだっと効果音が着きそうなくらいの勢いで走ってくるそこの子は俺の元へ着いた瞬間俺に抱きついた。
「？！？！？」
「角名！？」
俺に抱きついて離れない茶髪の子は角名くんと言うらしい。
戸惑っていると泣き声が聞こえてきた
俺はぎょっとして顔をそっと覗き込んだ。
「ばかっ！！！！Aのばかああああ！！！！！」
「え"っ！？」
ばかっばかっと泣き続けるその顔には侑くんよりも見覚えがあって....
「倫太郎！？」
「生きてたんだぁ...良かった"ぁ....」
相変わらず俺の胸から離れないようだがその姿にも見覚えがある。
長めの茶髪、黄緑がかった目、
俺が名古屋にいた時の幼なじみだ。
銀時が居なくなってからも唯一仲良くしてくれた奴。
少し人見知り気味だった倫太郎と虐められていた俺でよく分からない絆が出来ていたのを思い出す。
俺が宮城に行った時に交流は完全に途切れどうしているんだろうと心配していた。
侑くんと同じユニフォームを着ているからきっと仲間なんだろう。
あれ、侑くんと同じチーム...？
「...倫太郎も引っ越したの？」
「え、...俺は稲荷崎に、スポーツ推薦されただけだよ？」
それがどうしたというように俺の方を涙を拭いながら見る倫太郎。
スポーツ推薦って...前から凄いとは聞いていたがめっちゃ凄いな...！？
俺が倫太郎にびっくりしているとのそりと効果音がつくように侑くんが出てきた。
「角名、感動の再会...ってやつかもしれんけどアップあんで」
「侑黙って」
「いや、俺悪くないやろ！！」
「倫太郎？チームメイト困らせたらんなよ？」
「...じゃあAも。」
そう言ってぐいぐい俺の袖を引っ張っていく倫太郎。
俺は空いている方の手で徹に助けを求めたが綺麗な笑顔で見送られた。
「稲荷崎ならAコートだよね！怜羅の分も席取っておくよ。」
「その前に助けろ！！！」
4人にGoodサインを送られながら俺は何故か稲荷崎のコートまで連れてかれた。
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作者名：しばいーぬ | 作成日時：2021年11月26日 19時
