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双子になって二十九日目。 ページ36

徹目線



「たいせつにしないと」





怜羅の様子が急に可笑しくなった。



怒りで愛原先輩に殴りかかろうとしていたのに急に力が抜けてふらふらと怜羅のかばん、1番上に乗っているあのハンカチと中から何かを出して部室を飛び出す。




急に動いた怜羅に周りが困惑している。






「ッ!」




「及川!?」






俺は急いで怜羅を追いかける





どこいった。怜羅は、





俺の推測が間違ってなければ怜羅は洗うに適する場所に行くはずだ。




手洗い場などでは無い。




そう、衣類用洗剤などがあってぬるま湯などが出る場所。






「家庭科室...とか?」





確か家庭科室には衣類用洗剤が沢山置いてあった筈






そこでなら怜羅もしっかり洗えるのでは....?






家庭科室に向かおうと体育館を飛び出そうとすると遠くの方でばしゃばしゃと水の音がした







確かそっちの方は少し古い手洗い場があったはず







まさかと思い俺は踵を返してそっちへ向かう。






うっそぉ。そこで洗っちゃう??





怜羅がゴシゴシと泡立てる横にはお試しサイズくらいの怜羅がよく使う衣服用洗剤があった。





洗剤も持ち歩いてんの!?この子!





初めて知る怜羅に俺は大分びっくりする





確かに真夏の外の水道からは温かい水が出る。
きっとぬるま湯の代用品であろう。






「取れろ...取れろ...」






怜羅は独り言のように呟きながらハンカチを洗う。






丁寧に。丁寧に。






愛原先輩に掴みかかった時に着いた自分の服の汚れには目もくれずそのハンカチを洗い続ける。









もうこれ以上汚れが取れないだろうに怜羅は洗い続ける。






何分が経っただろう。







俺はどうすることも出来なくてぼーっと怜羅を見続ける。





けれどこれ以上は日陰とはいえ熱中症の危険もあるだろう。







周りから俺たちを探す声が聞こえる







そろそろ声をかけようかと俺が手を伸ばそうとするととうとう怜羅が泣き出してしまった








「汚れッ取れろよ!......俺、だいじにしてたのに...!」









「怜羅ッ」






俺が抱きしめて慰めると怜羅はおもちゃを壊されてしまった子供みたいに泣く








初めて見る泣き顔だった。









俺はお前の笑った顔が見たいのに

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reirasukuuuuuuu(プロフ) - ましゅまろさん» コメントありがとうございます(´∇`)少しずつ更新していきますので暖かい目で見ていただければ幸いです。 (2021年8月24日 1時) (レス) id: b3831baf91 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅまろ(プロフ) - 更新ありがとうございます!!クロスオーバー作品大好きです!特に銀魂は刺さります…自分のペースでいいので、良かったら更新続けてください! (2021年8月24日 1時) (レス) id: a0cb060353 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しばいーぬ | 作成日時:2021年8月11日 21時

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