双子になって二十七日目。 ページ34
徹目線
「これ...やったの誰です？」
滅多に...というか全く怒らない怜羅の怒った声を初めて聞いた。
普段全く怒らない人物の地響きのような声は周りを凍らせるには充分だった。
「誰だって聞いてんのが聞こえねぇのかよ！！」
「おい...怜羅？やめろ...」
「なんだよ岩泉。怒るなってか？？怒らないわきゃねぇだろ！！！」
怒りを露わにする怜羅に周りは戸惑いを隠せないでいる。
それは兄弟である及川も例外無かった。
「貴方ですよね...これしたの。」
その目線の先は愛原先輩。愛原先輩はカタカタと震えている。
怜羅は腐っても先輩だからか精一杯の敬語で喋る。
「なんでしたんですか....なんでｯ！！！」
それでも反応しない愛原先輩に怜羅はとうとう痺れを切らして掴みかかった。
周りからあれはやべぇだろ...言うてもカバン汚されただけだろと声が出始める。
でもそれは俺には出来なかった。
横で松っつんがそろそろ止めないとやばいんじゃないの？と囁く
「ｯてめぇは！！どんだけなことをしでかしたか分かってねぇーだろ！！！俺の！！！俺のｯ！！！」
愛原先輩の胸ぐらを掴み泣きそうな顔で叫ぶ怜羅のカバンの上には墨液でぐっしょり濡れたあのハンカチが畳んで置かれていた。
あれは怜羅の本当の兄が最後にくれた宝物。
怜羅はそれを大切に大切に持っていた。
使ったところは見たことないし、
洗う時も手洗いで丁寧に洗っている
いつもカバンに入れているけど基本は出さないし、
気合いを入れたい時や、落ち込んだことがあった時だけ出しているのをよく見てきた。
怜羅が七年の間大切にしてきたソレはたった一人の欲で穢された。
今やこれ可愛いだろと笑っていた白猫の刺繍は黒く染ってお世辞にも白猫とは言えなかった。
一瞬にして、自分の居ない所で穢される。
それがどんなに辛いことか。
「.....怜羅....くん....」
カタカタ震えて愛原先輩が言う
けど、次第にその声は大きくなる
「私ね....怜羅くんに見て欲しかっただけなの....なのになんで怒られないと行けないわけ....？
ただのカバンじゃん。
そこにあるのもただのハンカチじゃん。
別に汚れても良くない！？また新しいの買えばいいじゃん！！あれだったら私買ってあげるよ！？
そんなことより私の心配は！？
私の怜羅くんはこんなことで怒らない！！！」
空気が冷えた音がした。
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reirasukuuuuuuu(プロフ) - ましゅまろさん» コメントありがとうございます(´∇｀)少しずつ更新していきますので暖かい目で見ていただければ幸いです。 (2021年8月24日 1時) (
レス) id: b3831baf91 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅまろ(プロフ) - 更新ありがとうございます!!クロスオーバー作品大好きです！特に銀魂は刺さります…自分のペースでいいので、良かったら更新続けてください！ (2021年8月24日 1時) (レス) id: a0cb060353 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しばいーぬ | 作成日時：2021年8月11日 21時
