双子じゃなくなって一日目。 ページ22
徹に銀時のことを話した日の夜、久しぶりにあの夢を見た。
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「怜羅、銀時荷物持った?」
その日は剣道の試合の前日で遠くの県に行くから先に移動しようとしていた日だった
久しぶりの母さんの運転に心を踊らせながら車に乗ったのを覚えている
「そんなとこに突っ立ってないで早く行こうぜ!」
「うん!」
遠くの県まで行くのでついでに観光もしようと母さんの勧めで観光名所も回ることになっていた
旅行なんて初めてに近く、知らない土地が楽しくてしょうがなかった
色んなところを見て回った。
有名なお寺や
美味しいご飯屋、
大きいお城に
城下町。
何もかもが楽しかった。
銀時と何かお揃いのものが欲しいと俺は黒猫の刺繍が入っている黒いハンカチを銀時は色違いの白猫の刺繍が入っている白色のハンカチを買って交換した。
「宝物にする!」
「俺は、すぐ捨てちゃうかもな?」
「酷いよ!」
「嘘だよ、大切にするとすらァ」
そういった銀時もとても嬉しそうな顔をしていた。
夜も深くなった頃、星を見ようと星が綺麗で有名な崖の近くに車を停めた。
「銀時!見てよ!海だよ!!」
「すげぇ!!」
平日で、しかも夜も深かったこともあり人は少なくほとんど貸切状態だった
街明かりが少なく星がまるで降ってくるかのように綺麗見えた。
一通り星を見たあと母さんは疲れたからと車の中で仮眠を始めた
「一人で行っちゃダメだよ」
母さんのそんな忠告も聞かず俺は一人車を抜け出した
みんなで見た夜空と一人で見た夜空では興奮が桁違いだった
「すっげぇ...!」
俺は楽しくなってその場を駆け回り始めた
星が俺を追っかけているみたいで俺は走り続けた
暗くて足元がよく見えなかったけれどそんなことどうでも良くなるくらい星が綺麗だった
でもその不注意が良くなかった
ズルっ
俺は崖っぷちで足を滑らしたのだった
落ちる...死ぬ!
崖の下は真っ暗闇で何も見えないけど
あるのは多分海か岩だろう。
死にたくない!
そう思った時無意識に手を伸ばした俺の手が銀時の手で包まれた
「怜羅っ!!」
銀時が来た途端俺は安心感に包まれた
けどそれはすぐに絶望に変わった。
銀時は俺の手を目一杯引いてその反動で黒い海に吸い込まれていった
俺の代わりに、俺のせいで、
俺は崖の上に倒れ込んでいた
黒い海から水しぶきの音が聞こえていた
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reirasukuuuuuuu(プロフ) - ましゅまろさん» コメントありがとうございます(´∇`)少しずつ更新していきますので暖かい目で見ていただければ幸いです。 (2021年8月24日 1時) (レス) id: b3831baf91 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅまろ(プロフ) - 更新ありがとうございます!!クロスオーバー作品大好きです!特に銀魂は刺さります…自分のペースでいいので、良かったら更新続けてください! (2021年8月24日 1時) (レス) id: a0cb060353 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しばいーぬ | 作成日時:2021年8月11日 21時