検索窓
今日:25 hit、昨日:13 hit、合計:74,256 hit

ページ2

「怜羅くん起きて」


女の人の声で俺は目を覚ました。


「私が引き取ることにしたからよろしくね怜羅くん。」


綺麗な人だ。40代くらいだろうか。


「...よろしくお願いします」


「あ、そうそう。私にも怜羅くんと同い年の息子がいるの。仲良くしてやってね。」


そういうとその人はそそくさと帰っていってしまった。


「あ、名前聞いてない。」


他の人に名前を聞いた。


及川真由美さん。


住んでる場所は宮城だそうだ。


今住んでるのは名古屋だからとても遠い。


まぁ離れて寂しい友達もいないしいいだろう。


俺は帰りながらこれからの事を考えた。


優しそうな人だったな。


この際性格をガラッと変えてみようか。


まずは髪の毛だな。伸びきってるし結構切ってもいいかも?


服装とかも変えようか。母が置いていった最後のお金が結構あったはず。


口調は年上以外は敬語を外してみるか


持ってる服はスエットしかないからオシャレなの買ってみようか。


...剣道はどうしよう



辞める隙を無くしうだうだと続けている剣道。



何気に準優勝したりなど結構いい成績を取っている。



俺の兄、銀時との最後の繋がり。



「...辞めるか。」


案外サラッと出たその言葉は俺の中にスーッと溶け込んでいった。


ちょっと楽しみになってきたかもしれない。



「及川、怜羅。」



結構しっくりくる響きに俺は心を弾ませる。




帰りにこれから着る服を三着くらい買った。


買ったことのないカジュアルな服だ。




家に着いたら直ぐに荷造りを始めた。


兄の遺影と兄から貰ったハンカチを入れる。

これさえあれば俺は無敵だ。


自分の剣道の用具は捨てていこう。


服もパジャマ代わりになりそうなものだけ持っていく。


俺の何もかもをここに置いて


俺は逃げる。



ふと兄の竹刀が目に入る。まだ小学生なのに大人用のを間違えて買ってしまったやつ。

サイズの合わないそれで一生懸命練習した兄の姿を思い出す。


「これだけ...」


そう思って俺は竹刀ケースに兄の竹刀を入れる。




綺麗になった部屋を見渡す。


ここともおさらばだ。


手帳型の携帯ケースにいつもさしている兄との写真を眺める。


破れるのが怖くてラミネート加工までしてあるもの。



「銀時。俺、銀時のこと。剣道辞めても絶対忘れねェから。安心しろ。」


今週の土曜から宮城に行く。


来週からはもう新しい中学校だそうだ。



「坂田怜羅にバイバイだ。」

設定☆*°→←双子になるまで



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (39 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
134人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , 銀魂 , 青葉城西
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

reirasukuuuuuuu(プロフ) - ましゅまろさん» コメントありがとうございます(´∇`)少しずつ更新していきますので暖かい目で見ていただければ幸いです。 (2021年8月24日 1時) (レス) id: b3831baf91 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅまろ(プロフ) - 更新ありがとうございます!!クロスオーバー作品大好きです!特に銀魂は刺さります…自分のペースでいいので、良かったら更新続けてください! (2021年8月24日 1時) (レス) id: a0cb060353 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:しばいーぬ | 作成日時:2021年8月11日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。