【鬼滅の刃】半人半鬼〜柱ならざる柱〜

予兆 ページ3

in No


？「Aを呼んでくれ。炭治郎と禰豆子、二人の対処の仕方によっては彼女の立場も変わってくるからね。」


とある大きな屋敷に優しい声が響く。

声の主である男の手の中にいた鴉はその言葉に頷き、飛んで行った。

男は鴉が見えなくなると後ろに控える黒髪の藤色の着物を着た少女に向かってこう言った。


？「場合によっては我々は彼女の処刑もしなければならないね…」


男は悲しそうに言い、少女は激しく動揺していた。



・



那田蜘蛛山…下弦の伍・累とその家族である鬼たちが根城としていた山

しかし、一家は鬼殺隊の柱二人を含む隊士たちに一夜にして全滅させられた。

事後処理部隊である隠も撤収したその山に一人、白い着物を羽織り、頭巾を深くかぶった少女がいた。

白い着物の下には鬼殺隊の隊服を着ていた。

少女は山の中をひたすら歩いていた。

少女は道中、鬼の一家が着ていた着物や鬼殺隊の最高位である柱の1人、蟲柱・胡蝶しのぶの毒でやられた鬼の少女を土に埋めた。

そして、また少女は一枚の着物を見つけた。

それは下弦の伍・累の着ていた物だった。

少女はゆっくりと着物を取り、土に埋めた。

少女はこの山に来る前に買ってきた花を土の上に置き、手を合わせて祈る。


『どうか地獄で安らかに…』


少女の頬には一粒の涙が流れていた。




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