雨柱と風柱1 ページ17
in実弥
実「ここか、」
鴉に案内された集合場所でしばらく待つ。
『こんばんは、今日は良い夜だね。
月見酒の丁度いい、そう思わないかい?』
そういって音もなく現れた今夜の合同任務の相手
実「よォ、柱合裁判以来だなァ、A」
相変わらず、白い頭巾を目深に被って番傘を差した胡散臭い恰好をしているソイツを見る。
ふと、違和感を覚えた。
実「お前…イラついてんのか?」
尋ねるとAは肩を揺らす。
『ありゃりゃ、これでも落ち着かせようと頑張ってるんだけどなー。実弥くんに言われるようじゃ、僕もまだまだってことかぁ。』
そういってカラカラと笑うAを俺はじっと見る。
すると、降参したように傘を持っていない方の手を挙げた。
『いやぁ、そんな目で見ないでくれたまえよ、ちょっと嫌なことが重なっただけさ』
おどけて見えるが、コイツが敵以外にふざけた口調で話すのは、大抵怒ったり、疲れていたり、悲しんでいるとき、というのはある程度付き合っていけば分かる。
実「…時透のことか」
『…歩きながら話そうか。』
そういって、名前は歩きだした。
時透とコイツの関係は柱全員が分かっているようで分かっていない。
二人が元師範と元継子ってことは皆知っているが、何故二人は師弟関係を辞めたのか、そんなことは一切謎だ。
まぁ、そこら辺、深く知ろうとするヤツはいねぇし、誰も深く突っ込まないので今の状態なんだが…
ただ、時透は未だにコイツの事を師範と呼んで慕っているのも事実だ。
しかし、コイツが誰かに対してキレる…なんてまず無い。
そもそも、コイツは鬼殺隊の隊員や隠たちにとっては母、姉、先生みたいな存在だ。
色々なことを教えてくれて、相談ものってくれる。
だが…
『だいぶ考え込んでるけど大丈夫?』
ハッとした。
『私の話、全然聞いてなかったでしょ。』
こっちを向かず、淡々と歩いている彼女はもう、いつもの暖かいがどこかわざとらしい雰囲気に戻っていた。
実「わりィ、聞いてなかった。」
『そう、時透くんの他にもね、嫌なことが重なって少しイライラしてただけです。別に心配されるようなことじゃないよ。』
突然、Aは番傘に仕込んである日輪刀を抜いた。
コイツの視線の先には鬼がいた。
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白(プロフ) - 夜小雨さん» ありがとうございます!私も無一郎推しなのでこれから無一郎とどんどん絡ませていきたいと思ってます! (2019年9月11日 20時) (レス) id: a10d3b18e2 (このIDを非表示/違反報告)
夜小雨(プロフ) - 初コメ失礼します!この作品とても面白く読ませていただいています!私は時透無一郎君推しなので、いつも楽しみに更新を待っています!これからも頑張ってください! (2019年9月10日 7時) (レス) id: 7c173ad1c5 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - 夏目さん» ご愛読ありがとうございます。学校が始まって更新頻度がどうしても落ちてしまうのですが、空いた時間を見つけて更新していきたいと思っています!私もアニメを見ながら煉獄さんの声が若々しい…と驚きましたw (2019年9月7日 22時) (レス) id: a10d3b18e2 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - いつも楽しく読ませて貰っています。とっても良い作品だと思うので、更新よろしくお願いします。あと、私も煉獄さんの声はもう少し野太いイメージでした!頑張ってください! (2019年9月7日 0時) (レス) id: 06c8633641 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - なう。さん» コメントありがとうございます。師弟愛からの恋愛ですか…検討させていただきます。 (2019年8月22日 20時) (レス) id: a10d3b18e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白 | 作成日時:2019年8月12日 22時