アネモネ【爆豪勝己】 (ページ34)

今日:7 hit、昨日:22 hit、合計:78,653 hit

キーホルダーページ34

その日の放課後、私はかっちゃんの部屋へと向かった。

「ねぇ、かっちゃん。はい、これ」

「んだ、これ」

「これのお礼。しょうもないけど、ごめんね」

そうネックレスを指しながら渡す。
すると、かっちゃんはなんでも心が大事だろとか凄く嬉しい事を言ってくれた。

学校が終わってからすぐ、私は買い物へ行った。
そこで探し回ったのだ。

「これ。アネモネ…か？」

そう、アネモネの押し花のキーホルダーを。
かっちゃんにキーホルダーなんて。と思うかもしれないけど、どうしてもアネモネのキーホルダーが欲しかったのだ。

だって、アネモネの花言葉は…

「俺を信じて待ってる、ってか？」

「え…知ってるの？」

かっちゃんの口から出た言葉に、私は驚くことしかできなかった。
まさか花言葉まで知ってるなんて…完敗だ。

「さすがにね、高校生では一緒に住めないからさ。高校卒業してかっちゃんがプロヒーローになったら迎えにきて欲しいなー…って」

それまで私はあなたを信じて待ち続けるから…

それまで私はかっちゃんのことを好きでい続ける自信があるから。

「はっ、こんなキーホルダーにしばられんくても迎え行くわ。待ってろや」

目を閉じてかっちゃんの手を握って言うと、即答で言われた言葉。
私は涙が止まらなかった。

そんな私をかっちゃんはずっと抱きしめてくれていた。
落ち着くまで。ずっと。

この腕から永遠と逃れたくない、そう思った。