アネモネ【爆豪勝己】 (ページ23)

今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:78,630 hit

私のページ23

「ところで、その箱開けてもいいかなあ…」

リカバリーガールと先生が、かっちゃんが来てるということで、気を利かせて何処かへ行ってくれた。
かっちゃんは、私が切迫流産しかけたっていうところを聞いてない。

まぁ、かっちゃんなら分かるだろうから、あまり言わないようにする。

「んで、なんで倒れたんだよ」

まさか、そうくるとは思ってなかった私は目が点になる。
…でも、そりゃそっか。かっちゃんが見つけてくれたんだもんね。

「…切迫流産だってさ。あ！でもね！この頃の切迫流産っていうのは、ストレスとかいろいろそういうので結構あるらしいから、全然気にしなくてだいじょお…」

そう言いかけたところで、私の目の前が真っ暗になった。
そして病院のツンとしたアルコールの匂いの代わりに、ニトロの甘い、私の大好きな匂いが香る。

…直ぐにかっちゃんに抱きしめられたとわかった私は、何故か涙が溢れた。

プツンと何かが切れた気がした。

「ひとりにして悪かった…」

そんなかっちゃんらしくない、言葉が聞こえた気もした。
それも、私の泣き声で＂気がした＂だけだけど。

泣いた後、直ぐに眠っちゃった私。

起きたらかっちゃんはいなかったけど、温もりを感じたから、今の今までいてくれたんだと分かる。
こんな時間までありがとう。とかっちゃんに一言メールをいれ、私は再び目を閉じた。

…彼は私のヒーローだ