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土井『私たちは文句を言いに来たわけじゃないんだ。』
「で、では、どんな御用で…?」
山田『お礼を言いに来たんだ。』
「お、お礼…?」
土井『きり丸を助けてくれて、ありがとう』
山田『Aくんが助けてくれたおかげできり丸は無事だった。いや、私がもっと早ければAくんも無事だったかもしれない。すまなかった。』
山田先生は頭を下げる。
「えっ!か、顔をあげてください!」
山田『そうはいかん。嫁入り前の娘さんにこんな怪我を負わせてしまった。』
「大丈夫ですから!こうして生きてますし!本当に顔をあげてください!」
山田先生が顔を上げる。私は山田先生の目をしっかり見ながら、
「山田先生が来てくれなかったら、今頃こうして生きてはいないと思います。きり丸くんも怪我を…最悪の場合、命を落としていたかもしれません。私は山田先生が来てくれたことに感謝してますし、遅かったなんて思ってもいません。」
山田『Aくん…。』
「さぁ、難しい話はこれくらいにしましょう。一年 は組の良い子たちもいることですし、ね?」
私は一年は組の良い子達を理由に、この話を終わらせた。庄左ヱ門くん達はまだ鼻をすすっている。
「乱太郎くん、今どのくらいの時間なのかな?」
話題を変えるべく、私は時間を乱太郎くんに聞く。
乱『今は…戌の刻です』(19時〜21時)
もうそんな時間か。私ときり丸くんが帰る途中で聞いたのが申の刻(15時〜17時)の鐘だから…。
「私はすぐ目覚めたのですね。」
自分の中ではもっと寝ていた感覚があった。
新野『まだ食堂してる時間です。夕飯なにか持ってきてもらいましょうか』
「私は…大丈夫です…。そうだ、きり丸くん起こさないと…」
新野『もう少し、寝かせておいてあげましょう。乱太郎くん達、食堂のおばちゃんに頼んでおにぎりかなにか持ってきてもらってもよろしいですか?』
はぁい!と良い子達が医務室を出る。
新野先生が気を利かせて『先生方も、もうAさんを休ませなければいけないので』と、山田先生、土井先生に退室を促した。
では、と山田先生と土井先生が医務室を出る。
きり『ん…ぁ』
きり丸くんが目をあける。
「おはよ、きり丸くん」
私はきり丸くんの頭を撫でる。
きり『あっ!Aさん…!おれ、おれ…っ!泣』
きり丸くんは私に抱きつき、糸が切れたように泣き出した。きり丸くんの背中をさすり、抱きしめ返した。
その声を先生たちが廊下で聞いていたのは知る由もない。
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ずんだ餅 - うわ、、すこ✨ (2023年3月7日 8時) (レス) @page50 id: 366c5c0809 (このIDを非表示/違反報告)
しらすは釜揚げしか勝たん(プロフ) - ゆりりんさん» 熱烈な愛の告白ありがとうございます(めっちゃ嬉しい)これからも末永く爆発させていきますのでよろしくお願いします(b・ω・)b (2021年7月23日 19時) (レス) id: 1903d8bb4f (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 好き!(挨拶)他の二次創作が読むものなくなって久し振りに忍たまを見に来たら爆発しました。本気(マジ)で主さんありがとう。 (2021年7月23日 17時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
しらすは釜揚げしか勝たん(プロフ) - こころさん» コメントありがとうございます〜!頑張るので末永くよろしくお願いします〜!! (2021年7月11日 20時) (レス) id: 1903d8bb4f (このIDを非表示/違反報告)
しらすは釜揚げしか勝たん(プロフ) - さくらさん» コメントありがとうございます!すんごく嬉しいです〜!!!繰り返し読んでいただけるとか…最高です…!!!これからも頑張ります!(b・ω・)b (2021年7月11日 20時) (レス) id: 1903d8bb4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しらすは釜揚げしか勝たん | 作成日時:2021年7月5日 1時