救済措置を完了せよ【名探偵コナン】

{特別編}旅館宿の一夜事件　コナンside ページ2

時刻は夜中の3時

あの後、俺達の通報を受けた佐藤刑事達が旅館宿に到着し調査が行われた。

旅館の従業員と俺達からの事情聴取と鑑識からの報告をまとめ高木刑事が今回の事件のあらましを報告する。

「濱田さん死亡推定時刻は午前12時30分頃…発見時刻は午前2時頃。
死因は石畳横の岩に頭を打ち付けた時の出血による出血性ショック死。
体内からはかなりの量のアルコールが検出されました。その事から夜、酒に酔った濱田さんがふらりと外に出た際、足を滑らせ転倒、そして頭を打ちつけたと考えられます。」

……発見時の事も考えると、そう考えるのが妥当だと思うが、

警察が来るまでの間、俺と安室さんは旅館の周りや濱田さん達の部屋を調べさせて貰っていた。
その時に一つだけ気になるものを発見していた。

それは些細なことだったのでまだこの事件に関係あるのかはまだ決定打には欠ける…


「あいつ…昔から酒癖悪い所があったから…よく酔っ払って路上に寝たりなんて事もあったんだよな…こんな事になるならもっと注意して置くべきだった」

「で、でも最近はお酒の量も考えながら飲んでいたからベロベロに酔っ払うことなんて無かったのよ…」

「旅行で浮かれてたのかもな…」

涙に瞳を潤ませる女性(柏木さん)を慰めるように塚原さんが寄り添いながら塚原さんも悲しそうに呟いた。

酒癖…確かに濱田さんの部屋の机の上には沢山の酒の空き缶が置いてあった。
本当に酔っ払ってふらりと外に出ただけなのか…？
それとも……

必死で頭の中をフル回転させ推理を進めていると辺りを調べていた世良が旅館の主人に質問を投げかける。

「あんたは何で夜中の2時に旅館の中を彷徨いていたんだ？警備にしてもこんな夜中にする必要は無いだろう？」
「…そ、それは、昼にもお話ししましたが去年うちの旅館に泥棒が入って売り上げを盗まれたのですが、その泥棒が入った時刻が大体夜中の2時頃だったんですよ…それ以来夜中2時には旅館内を警備しないとどうも落ち着かなくて…」
「…なるほど、確かに不安にもなるわよねぇ…」

主人の返答に目を擦りながら園子がうなずく。
……まぁ、こんな時間じゃな。

すると、先程から辺りをキョロキョロと見ていた松田刑事が此処に居る皆がずっと気になりながらも触れにくかった疑問を投げかけた。









「なぁ、あいつ…Aは何処にいんだ？」

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