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家族 ページ9

無事事件が解決した後、結局森林公園は封鎖され私達は解散する事になった。
そして私は今新たな問題に悩まされている。

『あーみんっ、早く帰るよ!』
「ウニャァッ」
『ウニャァッじゃない』

あーみんが哀ちゃんから離れようとしないのだ。
くそっ、いつも寝てばっかりなのに何で今日はこんなに元気なんだっ!
ちなみに、子供達と博士は疲れたようで先に車の中で休んでいる。
私はあーみんから手を離し眉間を抑え溜息をつく。
そんな私にコナン少年が声を掛ける。

「なぁ、Aさん。あーみん灰原にあげちゃえば?」
『何言ってんの?』
「だってめちゃくちゃ懐いてんじゃん」
『……。』

確かに…
あーみんは哀ちゃんに擦り寄り離れようとしない、哀ちゃんも困りながらも嬉しそうだ。

『あーみんに飼い主を選ぶ権利があるのは分かってる、』
「ん?」
『傷を負って死にかけてる所を助けて保護したんだよ。独りぼっちで、周りに仲間も見当たらなかった。でもね、』

コナン少年と哀ちゃんが黙って此方を見る。

『きっとあーみんの仲間はすぐ近くに居たんだよ。でも仲間より先に私が見つけて連れ去ってしまったんだ。きっとあーみんには仲間がいて家族もいて…いずれはその子達の元に返さないといけないんだよ。分かってる。だから、』

ゆっくり哀ちゃんからあーみんを抱き取る。
あーみんは今度は嫌がろうとはしなかった。

親に捨てられたあの日、本当は少しも大丈夫なんかじゃなかった。悲しかったし苦しかった。
あの日の出来事は、私の人生の中で唯一の後悔になり心の深くに根深く家族に対する執着心だけを残した。

『今だけ、後少しだけ私の家族でいてよあーみん。私が本当に平気になるまで…』
「…Aさん」
『…さぁ、早く帰ってお互い身体を休めよう!子供達を早く送ってあげなよ。』
「分かったわ、今日はお疲れ様Aさん」
『うん、お疲れ様』
「Aさん、今度またゆっくりお話ししましょう」
『あ、はい』

車の中から沖矢さんが声をかけてくる。
…聞かれたな。

コナン少年達の乗った車を見送ったあと私もあーみんを連れて車に乗ろうと踵を返

「まさか、俺の事忘れてんじゃねぇだろうな?」
『いえ、滅相もありません』

返そうとしたが背後から煙草の香りと凄まじい殺気を感じピシリと固まる。

…だから早く帰りたかったのに。

約束→←事件解決!



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秋海(プロフ) - すごく面白いです!気になったのですが、31ページ夢主の名前が固定になってます… (2022年8月7日 14時) (レス) @page31 id: b3f98e64b1 (このIDを非表示/違反報告)
なな - ページ32を読んでて思ったんですが、これって、名前固定ですか? (2020年1月20日 11時) (レス) id: 185446ca5a (このIDを非表示/違反報告)
ミコト(プロフ) - 凛さん» 長らく返信できず本当に申し訳ございません。 まさか夢主ちゃんの絵を描いて頂けるなんてっ……!!本当にありがとうございます!しかも、しかもっ!紺色ワンピに白衣!凄く素敵で愛らしい絵を有難う御座います!地道に頑張るので是非これからもよろしくお願いします! (2020年1月8日 0時) (レス) id: 300bfc7802 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ミコトさん、初めまして。いつも読ませて頂いております。突然ですが、この小説の夢主ちゃんを書いてみました。IMELOGにて投稿しているので、宜しければ、#救済措置を実行せよ #名探偵コナン #夢主 で検索して見ていただけると幸いです。いつも応援してます。 (2019年4月28日 18時) (レス) id: 0f5c65d312 (このIDを非表示/違反報告)
よる - 凄く読めて、読んだなぁって久々に実感した!面白かったです!!更新q(*・ω・*)pファイト! (2019年4月20日 1時) (レス) id: 0f45599fe0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミコト | 作成日時:2019年1月17日 1時

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