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1人目の救済 萩原side ページ15

「ガキのくせに生意気なんだよ!ガキはガキらしくしてろよ可愛くねぇな」
『それを言うなら君だって大人なんだから子供の言うこといちいち真に受けるなよ。それに子供らしくって何?子供らしくしている子供なんて子供らしくないでしょ』
「意味わかんねぇんだよ」
『…これだから単細胞は…』
「っとに可愛くねぇ…っ!なんなんだよ!お前」
『天才』
「あぁ!?」

現在爆弾が仕掛けられていると言うマンションの前で1人の少女と松田が言い争いを繰り広げている。
先程、上からの指示を待っている時に俺にぶつかってきた黒髪に珍しい黄色い瞳の可愛らしい少女は子供とは思えない発言を繰り返している。
松田、子供相手に言い負かされてる…(苦笑)

『というか、私は君と喧嘩するために此処に来たんじゃないんだよ、時間がない。』
「えっ?」

そう言うと松田との口論を苦笑いで見ていた俺の方に少女が視線を向けてきた、

『今お兄さんが着ている防護服、絶対に脱がないほうがいいよ。爆弾のタイマーが止まったからといって油断は禁物』

さっきまでの雰囲気とは一変して子供とは思えない鋭い眼差しでこちらを見つめてくる。

「いきなり何言ってんだ、お前…」

松田も少女の突然の発言に困惑した様子を見せる。もしかしてこのマンションにこの子の友達でも居るのだろうか?
俺は女の子を安心させようと頭を撫でる。

「心配要らないよ?俺は爆弾処理のプロだからね爆弾は必ず俺が止めるよ」
『プロだからと言って絶対に失敗しないとは限らないでしょ。その自信が命取りになる事もあるんだからね?』
「えっ…すみません」
「可愛くねぇ…」

安心させようとしたら諭された。なんで子供に説教されてんの俺…。
っていうか松田可愛くないしか言ってねぇな。

ふむ、っと少女は少しだけ考える仕草をした後、再び俺を見つめてきた。
俺を見上げて見つめてくる少女の黄色い瞳が陽の光に照らされキラリと妖しく輝く。

そして少女はゆっくりと口を開いた。

『お兄さんにあの爆弾は止められないよ』

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ミコト(プロフ) - 1412さん» ……確かにっ(衝撃)ご指摘有難うございます!修正しておきます!! (2020年1月9日 22時) (レス) id: 9d332e4a56 (このIDを非表示/違反報告)
1412 - 思ったんですが、夢主さんが自販機でジュースを買っている話があったんですけど自販機に万札は入りませんよ?お話事態はとても面白かったです!! (2020年1月9日 21時) (レス) id: 927162caee (このIDを非表示/違反報告)
ミコト(プロフ) - ありがとうございます!頑張ります! (2019年1月17日 1時) (レス) id: 442cac4e68 (このIDを非表示/違反報告)
なぎ(プロフ) - 凄く面白いです! 続き楽しみにしてます! (2019年1月17日 1時) (レス) id: a63d8a48ea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミコト | 作成日時:2018年12月20日 23時

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